2026年1月17日の授業レポート「お笑い寄席回顧」「クイズ漫才」「ネタ見せ」

授業レポート&ライブレポート

こんにちは。大阪お笑い塾の代表の高田豪です。

本年も、大阪お笑い塾をよろしくお願いいたします!

さて、2026年のお笑い塾はOSAKAお笑い寄席からスタートいたしました。

まずはそちらの様子をご覧いただきましょう!

と、その前に、1/11(土)に開講されたビギナーコースの方のレポートはこちらからお読みいただけますので、ぜひどうぞ▼

第33回大阪お笑い寄席

1月10日(土)に、玉造のライブ喫茶亀で第33回「OSAKAお笑い寄席」が行われました。

お笑い寄席の初司会を務めるのはケンさん。

サンズのタクマさんと息を合わせて、ライブを盛り上げてくれました。

お笑い寄席は、3PEACEのお笑い芸人さんに協力していただきながら、30回以上開催してまいりました。

ここだけでしか見られないユニットもありますので、毎回、新鮮かもしれません。

それでは印象に残った方をご紹介いたしましょう。


トップバッターを飾ったのはシアリス。

新年一発目のお笑い寄席はシアリスから始まります。

初詣や厄落としという、今のシーズンにぴったりのネタで、会場をあたためます。


今回、初めてお笑い寄席に出てくれた河村さん。

昨年、秋に入塾された方ですが、とにかくアグレッシブ🔥

お笑い熱が高く、どんどん挑戦を重ねられるタイプなので、必ず伸びていくことでしょう。

まずは場慣れが必要な時期ですので、場数を重ねていただくことで、ポテンシャルを開花するはず!


セーラームーンに扮したのは、芥子壺さん。

自作のアイテムを武器に、客席の笑いをかっさらいます!

怪談ネタからセーラームーンまで、かなり幅広いのが芥子壺さんの魅力ですね。


3PEACEの若頭ヒュンゼンさんは、ニュアンスたっぷりのちょっとトリッキーなネタをひっさげて登場。

20代前半という、演者さんの中で最も若い感性が光ります。

気づけば笑っているという、独特の世界に引き込むのが上手いヒュンゼンさんでした!


コーナーは、3PEACEの芸人さんと、お笑い塾のAIを駆使できるAIおじさんが、AIの力を使って、大喜利対決をするというもの。

人間が生み出すアイデアと、AI特有のアイデアががっぷりよつでぶつかります。

ちなみにAIおじさんが、途中でAIをかなぐり捨て、自力で答えだし、ただのおじさんになる一幕も…笑。

おおいに盛り上がりました!


ここからは、後半ブロックで盛り上げてくれた方のご紹介です。

しろみずさんは安定のフリップネタ。

今回は、日本地図を使い、ズームアップを入れるなど、これまでとはまたちがった工夫をされていました。


そしてトリは、やはりサンズ。

寿司屋の大将に扮したレオンさんが、お客の幸太郎さんを雑に扱い、なぜかタクマさんのみを優遇するという理不尽なコント。

ネタ終了後には、割れんばかりの喝さいと拍手が。

見事、トリとしての役割をはたされていました。

いつもご協力いただき、本当にありがたいです!

次回のOSAKAお笑い寄席は、3/7(土)の14時から、ライブ喫茶亀で開催いたします。

次回も、ぜひよろしくお願いいたします!

クイズ漫才のワーク

漫才のネタの中に「クイズ」という形式を取り入れる。

これは、古くはダウンタウン、近年ではM-1グランプリ王者のウエストランドさんが毒舌をまぶして昇華させるなど、世代を超えて多くのお笑い芸人が取り入れてきた、非常に歴史ある王道のスタイルです。

なぜ、プロの芸人たちはこれほどまでにクイズ形式を愛用するのでしょうか。

それは、クイズというパッケージが「フリ(出題)」と「オチ(正解)」を明確にしやすく、観る人を強制的に「次はどうなるんだろう?」という参加型の心理状態へ引き込める構造を持っているからです。

今回のワークショップでは、この伝統的な手法を借りて、漫才における「骨組み」の重要性を学びました。

■ネタ作りは「ブロック」を積み上げる意識

漫才初心者が陥りがちな最大の落とし穴は、面白いことを話そうと意識するあまり、ダラダラと脈絡のない会話を続けてしまうことです。

しかし、優れた漫才とは、緻密に計算された「ブロック(部品)」の積み重ねでできた建築物のようなものです。

そこで今回は、参加者の皆さんに以下の「5つのブロック」を順番に埋めてもらうという、独自のテンプレートを用意しました。

①セットアップ(ルールの説明)

②最初のクイズ(あたりさわりのないクイズで基準を作る)

③少しずらしたクイズ(内面のストレスや哀愁を見せる) 

④大きくずらしたクイズ(緊張と緩和を使った裏切り)

⑤締め

この設計図に沿ってネタを作ることで、最初は「普通の人」に見えていた演者が、ブロックが進むごとに徐々に「変な人」へと加速していく。そのエスカレーションの過程を、理解していただきました。

■「暴力」から「平和」(緊張と緩和)

講義の中で特に会場のボルテージが上がったのが、4つ目のブロック「大きくずらす」の実践です。

ここでは、漫才の基本原理である「緊張と緩和」を体感するために、あえて以下の展開を固定ルールとしました。

問題:「ストレスがピークに達すると、私の右手は、次に何をする?」

選択肢A:「あなたの頬を全力でビンタする」

選択肢B:「あなたと笑顔でハイタッチする」

ボケ役の方が、本当に人を殴るような形相で右手を大きく振りかぶる。ツッコミ役が「うわっ、殴られる!」と身をすくませて緊張がピークに達した瞬間、ボケ役は満面の笑みで「正解はB!」と叫び、パチンと軽快な音を立ててハイタッチをする。

この瞬間、張り詰めた空気が一気に弛緩し、会場からは安堵を含んだ大きな笑いが巻き起こりました。

言葉の面白さだけではなく、身体的な緊張と緩和のギャップこそが笑いを生むのだということを、肌で感じていただけたようです。

■漫才のリアルとフィラーの「ええと……」

また、今回のワークショップで特に重点を置いたのが、ツッコミ役による「フィラー(つなぎ言葉)」の活用です。

クイズを出された直後、すぐに正解を選んではいけません。あえて「ええと……」「うーん……」と言葉に詰まり、思考する時間を作る。

この「間」の技術は、M-1グランプリ2025で優勝した、たくろうの赤木さんが巧みにネタへ取り入れていたことでも知られる、現代漫才の重要なテクニックです。

赤木さんのように、独特の困った間と「言い淀み」を入れることで、台本を読んでいるようなぎこちなさが消え、まるでその場で本当に予期せぬ選択肢を突きつけられ、困惑しているかのような「ドキュメンタリーの空気」が生まれます。

漫才とは、結局リアリティを伝えるのが大切なのですね。

今年のお笑い塾では、ボケの考え方だけではなく、笑いをとりやすい仕組み、ネタを伝えやすい仕組みについてお伝えしようと考えています。

ネタを構造化することで、わかりやすさを向上させるということですね。

「面白いことを言う」のではなく、「面白い構造を作る」。

その第一歩として、歴史あるクイズ漫才は、構造論、演技論、そして構成力を養うための最適な教材となりました。

即興・クイズ漫才ワーク

それでは、実践していただいたネタを見ていきましょう。

今回、初めてレギュラーコースに参加された写真左の今泉さん。

親子ほど年の離れた高橋さんとのコンビ。

たとえ年長者であろうと容赦なくハードなツッコミをがしがし当て続けるストロングスタイルの高橋さん。

今泉さんの頑丈さがあって、調和が保たれ大きな笑いが起こっていました。

「一度、M-1に出てみたいんです!」とおっしゃっていた今泉さん。

2026年に、ぜひその夢を実現していただけると嬉しいです!


鉄道芸人のしろみずさんは、最近Tiktokでプチバズり体験されたそうです。

以前、芥子壺さんも同じくTiktokでバズったことがありましたが、たまにバズが起こるのがお笑い塾。

こちらは、そんなしろみずさんとシアリスの司令塔の畠山さんのコンビ。

まっすぐ正面を見つめる、しろみずさんと、それを不思議そうに見上げる畠山さんの図。

流れを押さえたうえで、セリフを上手く自分たちの言葉にしていたのが印象的でした。

しろみずさんが、ぐうっと間を溜めるため、自然とそこで緊張感が高まり、そのあと繰り出されるボケで大きな緩和が。

いやはや独特の空気感ですね。


こちらは塚田さん、芥子壺さんのコンビ。

このあとのネタ見せで使うアイテムを漫才に持ち込んだ芥子壺さん。

のっけから「どんなネタになるんだろう?」と期待が高まりました。

いつもはボケの役回りである塚田さんですが、今回はツッコミだったので、新鮮に映りました。

ワークの中では、このように普段とは異なるポジションに立てるので、新たな気づきが得やすいかもしれません。

ネタ見せ

お笑い塾のレギュラーコースでは、毎回、授業の最後に次回のライブへ向けたネタ見せを行います。

今回は、どのようなネタが発表されたのでしょうか。

初参加で早速、漫談を披露してくだった今泉さん。

「緊張しますね~」と言いつつも、持ち前の高いトークスキルで笑いをしっかりとっておられました。

繰り返し構造と言う、笑いの王道テクをしっかり入れておられたのもポイント高し!

今後の飛躍が楽しみです!!


お笑い塾の長老的存在である、しろみずさんも負けておられません。

年末年始、帰省しようと考えていたしろみずさんですが、いろいろ予期せぬことがあったようでして、その一部始終をユーモラスに語ってくださいました。

実際に起こった出来事を語ると、熱を入れやすいので、その分、見ている人にもしっかり伝わりますね。


2本のネタを披露してくださった芥子壺さん。

どちらも肩からぶら下げるスタイルです。

片方は、ちゃぶ台ひっくり返すネタ。ボケをもっと足せそうですので、いかにひとつひとつのくだりをテンポよく短く整えるかが鍵を握りそうです。

味わいが出せていますので、時間とともに笑いが広がっていきそうなネタでした。

もう一方のネタは、講談形式。キャラが多すぎると混乱しかねないので、こちらも「伝える」を意識して整理すると、見やすくなるでしょう。

芥子壺さんの、いつもながらのチャレンジ精神に頭が下がります!


最後はシアリス。

ライブ直後は、一息つきたくなるものですが、シアリスには、すぐに新しいネタを出せる強みがあります。

畠山さんの話を聞かずに塚田さんが暴走するというフォーマットができてきました。

ボケをさらに増やして、所作をそれらしくみえるようにすると、さらに良くなるでしょう。

前回から漫才の中に、アイテムを入れ始めたシアリス。

おふたりが面白く漫才をできるような、工夫を忘れません。

お客さんに楽しさを伝えるためには、まず演者側が楽しくやるというのも大切ですね。


次回のお笑い塾レギュラーコースは、1/31(土)です。

それでは、また次回の授業レポートでお会いいたしましょう!

お読みいただき、ありがとうございました!

高田豪(大阪お笑い塾・代表)

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