落語には、そそっかしい人がよく登場します。
笑いと人がしてしまい失敗は、かなり関連性があり、私も大阪お笑い塾の授業の中で「自慢話よりも失敗談を率先して話しましょう」「日常で失敗したら、受けるエピソードができたと捉えましょう」などとお話することがよくあります。
落語の人気キャラクターといえば与太郎氏。
与太郎噺というジャンルが作られるほど、与太郎は古典落語の中によく登場します。
『道具屋』『牛ほめ』などは、代表的な与太郎噺といえるでしょう。
与太郎は、失敗ばかりしますが「しょうがないやつ」という位置づけで愛され世話をされる人気者。
どこか憎めないんですね。
与太郎噺が大好きな理由は、与太郎がいつ何時も底抜けに明るく強いから。こんなご時世だから、今逆境にある人も少し余裕が出たら聴いてほしい与太郎噺。勇気と元気をもらえるし、目の前の悩みが少し消えるはず。私はこの与太郎噺=落語に救われたひとり。
— ぷこ (@puko1976) October 25, 2019
お笑い芸人の立ち位置でボケとツッコミがあります。
ボケに該当する人の中で、天然ボケと称される人はいずれも与太郎的。
漫画を読んでいても、「このキャラ与太郎的だな~」と思うことがあります。
『ドラえもん』の中に、『胴斬り』『壺算』など古典落語をモチーフにした作品が出てくるのは有名でしょう。
作者の藤子F不二雄先生が、大の落語好きだったこともあり、
藤子・F・不二雄の巨大な書斎に眠っている、落語のカセットテープ。志ん生、小さん、文楽、小南、志ん朝、歌丸、米朝、松鶴、枝雀、そして小三治…。ジャイアンの歌のルーツが「寝床」というのは有名な話であるが。
同じ部屋に「時計じかけのオレンジ」のLDがあったりする pic.twitter.com/eCTPhM0Ito— ANNEX (@annexxenna) December 28, 2019
キャラクターそのものが落語の登場人物っぽいのも確か。
のび太はとても与太郎的です。
あまり野心がなく欲望に弱く、すぐ調子に乗って失敗してしまうというのは、のび太の性質であり、与太郎の性質でもあります。
さて、最近『のだめカンタービレ』を読み返しているのですが(連載のスタートが、もう20年ほど前になるんですね~)、主人公ののだめ(野田恵)は典型的な与太郎。
皆さん おばんです?
一週間頑張ったのでのだめカンタービレ全巻買っちゃった?
アニメとドラマでは見てたけどマンガも面白いです? 今度はのだめカンタービレの楽譜を差し入れしてみようかしら?それではおやふみ?? pic.twitter.com/ZcT4yTMDMo— うふふ (@uff_piano) April 10, 2021
ざっと例を挙げますと…
- 人の食べ物を略奪
- 部屋はすぐ散らかる
- 汚部屋になりすぎて虫がわく
- 人の部屋に押しかけベッドで眠る
などなど、どこを切り取っても、与太郎なのです。
話は自然とコミカルになり、千秋真一という、のだめが好意を寄せる王子様のようなキャラクターは、のだめに対してツッコミの立ち位置になります。
与太郎はあなたの周囲にもいますし、あなたの中にもいるはず。
「与太郎を探してみよう!」という視点で、日常を過ごしたり漫画や映画などを見ると、意外な発見があるかもしれません。
高田豪(大阪お笑い塾代表)
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