こんにちは。大阪お笑い塾の代表の高田豪です。
喜劇王チャールズ・チャップリンは「人生はクローズアップで見れば悲劇だが,ロングショットで見れば喜劇だ」という名言を残しました。
これはお笑いの本質を突いた、鋭い言葉です。
お笑いのネタの多くが、ネガティブな体験、ネガティブな感情から作られます。
爆笑王の桂枝雀さんは「落語の笑いは他人のちょっとした困り」と指摘されました。
「困り真っただ中にいる人は大変なのですが、それを遠くから見ている人からすると滑稽に映る」、この残酷な事実をチャップリンは看破したのです。
物事を客観的に俯瞰視できる人ほど、お笑いのネタを作る適性が高いです。
『ちびまる子ちゃん』の作者である、さくらももこさんは笑いを作り出す天賦の才を持っておられました。『ちびまる子ちゃん』のアニメでナレーションが入ります。
キートン山田さんの定番の台詞「後半へ続く」は、有名ですね。
(※『ちびまる子ちゃん』ナレーションは、2021年春に、きむらきょうやさんに交替)
こういったナレーションはきっと、さくらももこさんの中に物事を客観的に観察するツッコミキャラがいたことを表しています。
内心でセルフツッコミを入れる癖がつくと、深刻な事態も笑い飛ばせます。
例えば、上司から詰められまくっているときに上司の鼻からぴょこんと鼻毛が出ていることに気づいたら、あなたの中のキートン山田は何と語るでしょうか?
「鼻毛が気になって、さっきからちっとも説教が頭に入ってこない〇〇であった」
「上司の鼻毛の手入れへの無頓着さが、このあと悲劇を呼ぶのであった」などなど、いろいろ遊べそうですね。
主観的になるほど、視野が狭くなります。
反対に対象を客観的に観察できれば、笑いのネタをどんどん拾えます。
お笑い芸人でネタを書く側の人ほど、どこか冷めたところがあります。それは普段から「ドライに物事を観察している癖」があるからかもしれないですね。
というわけで、あなたも今日から心の中にキートン山田をインストールしてくださいね。
きっと笑いのネタを今よりも、キャッチできるようになりますよ。
高田豪(大阪お笑い塾代表)
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