2022年1月29日「ホワイト社会とお笑い」&「幸運or不運だった話」

授業レポート&ライブレポート

早いもので1月も残りわずか。

 

のっけから疾風怒濤の2022年ですが、本年もお笑い塾は、楽しさを追求しつつ、みなさんと共に前へ進みます!

 

まずは塾生さんの活躍のご報告。上方落語の世界で、老舗ともいえる創作落語集団「もぎた亭」。こちらに作家として所属されている、エンラエンラ碓井さん。

 

1/22(土)に開催された動楽亭で、師匠方の前座で出演されました。

普段のライブとは異なる客層でしたが、トークやコントでしっかり場を温め、見事重責を果たした碓井さん。

 

そのときの様子を、ご自身のラジオトークで「もぎた亭裏話」として語っておられますので、ぜひどうぞ▼

 

『Radiotalk 緊急配信:もぎた亭裏話(22/01/22)』

 

エクストラ高橋&エンラエンラ碓井によるネトラジ

演者、作家と多岐に渡る活動を見せている碓井さん。

 

お笑い塾のネトラジに出演し、勝手に恋愛相談という企画でも熱量を発揮してくれましたので、こちらもどうぞ(画像をクリック)▼

第21回大阪お笑い塾ラジオ『エンラエンラ碓井と高橋による勝手に恋愛相談』

 

ホワイト社会とお笑い

「オンラインサロン」「評価経済社会」など、いち早く未来予測をして「先見性、超すげー!」と称賛を集めてきた岡田斗司夫さん。

 

彼が最近、提唱している「ホワイト社会の到来」について、授業内で触れさせていただきました。

 

ホワイト社会を端的に表すと、汚れたもの、危険なもののない潔癖な社会といえるでしょう。

 

岡田さんの論説を井上ハラヨキさんが、わかりやすくまとめてくださっておりますので、興味のある方は、こちらをお読みくださいませ。

コロナ禍がいつ収束するかは、まだ不明。ただし、いつかは必ず終焉が訪れます。

 

そのときに我々の生活形態などが、コロナ前とかなり変わり、それまでのライフスタイルに戻ることはないでしょう。

 

近年「人を傷つけない笑い」「優しい笑い」などが取り沙汰されておりますが、これも社会がホワイト化していく一環と解釈できます。

 

かつては人のわかりやすい特徴を笑いにすることが多かった、お笑い業界。しかしポリティカルコレクトネスなどの流れもあり、身体的特徴などを強くイジる笑いは姿を消しつつあります。

 

無菌化され、どんどんクリーンになっていく社会を「まるでデモリッションマンの世界のようですね」と表現した生徒さんもおられました。

現代を予期したような内容になっているSF映画のデモリッションマンは、コロナ禍で見ると興味をそそられること請け合い。

 

かつてのSF作品が描いていた未来社会の来訪を、現実として受け止め、やがて違和感を覚えなくなり「それが当たり前」と解釈しているのが令和の時代なのです。

 

ホワイト社会では過激な発言がNG!?

「SNSなどで過激発言をしていた人は、いますぐ消した方がいい」と述べておられる岡田さん。

 

2021年の五輪時に、コーネリアスの小山田氏が過去のいじめ問題によって、大炎上した騒動をまだ覚えておられる方もいるはず。

 

ホワイト社会では、暴力、暴言、過激思想などがNG。

 

良い機会だったので、みなさんでSNSをいかに活用しているかを話し合いました!

いつも塾を盛り上げてくれる我らが野菜ヒーロー、トマト刑事トマティーン!!


SNSをやっていると、つい感情的になることもあるそうですが、これは誰しも経験があるでしょう。

 

ここをいかにコントロールできるかが、ホワイト社会で求められる能力かも…?

 

ちなみにデモリッションで主役を務めたシルベスター・スタローン氏は「夜になると人間はネガティブなことを考えるものだ」といった旨を、かつて述べていました。

 

「深い時間にSNSをしない」など、自身で取り決めをしておくことも有効ですね。

 

ひとつのミスも許されない社会は、正直窮屈なのも確か。お笑いは人間の破れ目を表現するところもありますので、漂白された笑いのみが求められることはないと思われます。

 

大衆を意識せざるを得ない場では、ホワイト化した安全な笑いが表現され、実際にお客様が足を運ぶ劇場では、尖ったマニアックな笑いがどんどん繰り広げられるという二極化が進むのではないでしょうか。

 

ラッキー、アンラッキーだった出来事

今回の課題は、過去にラッキーと思ったこと、アンラッキーだと思ったことの発表。

 みなさん、独自の視点でたくさん語ってくださいました!

 

鉄道芸人しろみずさんは、年明け早々に起こった衝撃の出来事を発表。内容は割愛させていただきますが、まさかの展開と結末に一同「ええっ…!?」と絶句することに。

 

トマティーンは、ヒーローに変身する前はアンラッキーなことも結構あるが、トマティーンになった途端、幸運に恵まれるというエピソードを披露。

 

確かに昨年、岡町の催しにトマティーンが参加した際も、曇天だった空がトマティーンの登場で一気に晴れ渡ったのを覚えています。

晴れ男トマティーンは、みんなを元気づけ勇気づける存在ですね。

 

最も印象的だったのは、高橋さん。

かつてピンで寄席に出た際、30名のお客様を、初対面に近い4名の演者で盛り上げようと苦心惨憺した話をしてくださいました。

 

桂枝雀さんがおっしゃっている通り、困った経験というのは笑いになりやすいもの。

 

臨場感たっぷりに語る高橋さんの話に、みなさん引き込まれていました。

 

ネタ発表のコーナー

今回もたくさんのネタが発表されました。

エンラエンラ碓井さんは、これまでにやったことがあまりないという、実験的なネタを2本披露。

 

マニアックな角度は、碓井さんの持ち味。独自性が強いので、「どのように間口を広げてお客さんに伝わりやすくなるのか?」を見つけていくかが重要でしょう。

 

最近の碓井さんは、傍目でわかるほど生き生きとされており、塾全体にポジティブな影響を与えてくれています。

 

本年も、お笑い塾をどんどん引っ張っていってくれそうな勢いですね!

 

今年はアウトプットをどんどん増やせそうな高橋さん。

実験的に笑福亭鶴瓶さんのショートエピソードを実演。

 

「学ぶ」の起源は「真似ぶ」であるという説があります。落語家さんは、入門すると師匠のネタを完コピできるまで、身体に落とし込みます。

 

一線で活躍されるプロのネタを、実演することでたくさんの学びがあったことでしょう。

 

3/12のお笑い塾ライブに向けて、新ネタを持ってきてくれたトマティーン。

※ヒーローの素性が特定されないようモザイク処理しています!

 

トマティーンといえば、キレのある動きに定評があります。今回も所狭しと、キレッキレの動きを見せてくれました!

 

※ヒーローの素性が特定されないよう画像加工しています!

 

トマティーンは愛されるキャラを元々持っているので、鉄板のお笑いロジックであるフリオチをマスターすれば、もはや無敵。

 

塾生さんからは「ここをこうすると、もっと面白くなるのでは?」といった、具体的な意見が飛び交いました。

 

トリはシアリスのお二人。

これまでは、塚田さん(写真左側)の動きに重点を置いていたネタが多かったシアリス。

 

畠山さん(写真右側)が、自身の素を入れたツッコミが入れることで、バランスがぐっと良くなりました。

エモーショナルでアクロバティックな塚田さんを、飄々とさばく畠山さん。塾生一同「昨年より面白くなっている!」と高評価を受けていました。

 

2022年、シアリスはますます進化を遂げそうっ!

 

3/12(土)のライブで披露される漫才が今から楽しみです!!

 

次回の大阪お笑い塾の授業は2/12(土)14時からとなります。

 

それではみなさん、ごきげんよう!

 

「疲れた…」「しんどいぞ…」と感じたときには無理や我慢は不要。遠慮なく休みましょう!

 

ご自愛くださいませ。

写真・文 高田豪(大阪お笑い塾代表)

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