2023年6月17日の授業レポート「キャラを考える」「ネタ発表」

授業レポート&ライブレポート

この週末は、梅雨の中休みという感じで晴れ間が見られました。

この日は「初夏やないかい!」とツッコミたくなるほど暑く、30度を超えている地域もあったようですね。

さて今年になって、お笑い塾に入塾される方が増えています。

本日から、また新たに塾生さんが入られました!

早速、皆さんと会話され、なじんでおられました。

本日の授業前にお笑い塾のネトラジの収録がございました。

写真左奥の男性がケンさん。今年の4月、お笑い塾へ入塾されました。

入塾の経緯などについても触れてくださっていますので、下記の写真をクリックいただいて『お笑い塾ラジオ』をお聞きいただけると幸いです。

キャラとは何ぞや?

全てのエンタメにおいてキャラは重要です。

タレント業は、キャラが立っていないと成り立ちません。

人前でパフォーマンスをする人は、客観的に見た際「自分がどのキャラなのか?」を掴んでおく必要があります。

今回は、キャラを深堀しました。

キャラクターを辞書で引くと

①性格、人格、持ち味。

②小説、漫画、映画、演劇などの登場人物。

③文字、記号

上記3つの意味がありました。

3つめの意味の記号というのがキャラという言葉を掴むヒントになりそう!

精神科医の斎藤環さんが出された『自傷的自己愛』という本の中で、キャラについて詳しく解説されているのですが、

わかりやすいある一面を押し出して「この人はこういうキャラ」とラベリングされることで、他者からの承認を得やすくなります。

キャラと言えば陽キャ、陰キャという言葉もよく耳にしますね。

陽キャの人が四六時中、明るいかといえばそうではないでしょうし、それは陰キャと称される人においても同じ。

元来、人間は多面的な生き物です。

様々な面の中で、記号化しやすい面を押し出すのがキャラ化

お笑い芸人はキャラ化の最たる例でしょう。

ネタをやる上で「この人、どういうキャラなんだろう?」と興味を持たれ「なるほど、そういうキャラとして見ればいいのか!」と思ってもらうことは重要です。

お笑い塾ではよく「主観的に見るのではなく、客観的に自分自身を認識できるようになりましょう」とお伝えしています。

というわけで、今回は「自分と似ているキャラを探し出して発表をお願いします!」という課題をお出ししました。

何のキャラに似てますか?

高橋さんは、「自分はちびまるこちゃんの永沢君に似ています」と発表。

もちろん玉ねぎ頭などの、ビジュアルが似ているのではありません(笑)。

学生時代を振り返ったときに、ちょうど藤木君のような友達がおり、その関係性を客観的に見つめ「実は俺って、永沢君側やったんや!」と思ったそうです。

永沢君と藤木君、ときに歪み合っているように見えるんですが、根底では友情や絆がしっかりあるのかも?

フォローするわけではないですが、永沢君はスピンオフされ主人公になるほどの人気キャラです。

高橋さんは「永沢君は嫌味が多い人間だが、藤木を大切にしています!」と胸を張っておっしゃっていました。

 

最近バリバリ、持前のセンスを発揮し始めたミナさん。

ケンさんの少し前に入塾された塾生さんです。

自分の世界をお持ちの感じや、特定のジャンルを深堀している面なども含めてミナさんは野口さんぽいですね。

ボソリと面白い一言を返す様も含めて「確かに!」といった印象を受けました。

 

『ちびまる子ちゃん』の生みの親であるさくらももこさんは、超一流のキャラクターメーカー。

魅力的なキャラクターを造形するのに長けておられますので、みなさんも「ちびまる子の中で、自分とよく似ているキャラはいるかな!?」と探してみてくださいね!


シアリスのツッコミ・畠山さんは、トイレの花子さんをピックアップ。

なぜかお笑い塾の女性陣は、みなさん絵がお上手!

畠山さんは、よく「そこにいると思わなかった!?」「いつから、そこに立ってたの?」とビックリされるそうで、佇んでいる感じを指して「私って花子さんぽいのかも!?」と自認したそうです。

皆さんの個性が爆発する発表となりました。

新しく入られたAさんは、日本のお札になった有名人に似ているとおっしゃって、その扮装をしてくださいました。

二次元のキャラが続いたあと、こういう意外な角度から攻めるのはとても有効な手段。

前回の記事でも書かせていただきましたが、結局のところ笑って意外性なんです。

「おっ、そう来たか!」と裏切ることができれば、成功しやすくなります。

ネタ発表!

今回は、ケンさんが初めてのネタにチャレンジ!

パン屋さんを舞台にしたコントを堂々と演じておられました。

どうしても最初は「ちゃんとしたネタをやらないと!」という意識が出てしまいがちですが、完璧を求めすぎると返って辛くなります。

今回のケンさんのように、自分のネタを試してみて「どんな反応が返ってくるのか?」を確かめることこそが進歩への近道。

実際にやってみると、脳内でイメージしたこととのズレが必ず生じます。

「何がどれだけ伝わっているのか?」は、人前でやってみないと見えてこないのも事実です。

ぜひこの調子で、新たなネタにもチャレンジいただけると嬉しいです!

要素が多いところがあったので、「シンプルに!」を意識いただくことで飛躍的に見やすさがアップするでしょう。

 

ミナさんは「あがり症対策」というフリップネタを披露!

客前で平気な顔をしてパフォーマンスをしているように見えて、「実は緊張している…」という人は少なくありません。

日本人自体は神経質な民族ですので、緊張する人の方がきっと多いはず。

今回のネタにもミナさん独自の切り口が入っており、大きな笑いを巻き起こしていました。

彼女はワードセンスが巧みで、お笑いでいうオチやボケの伏線になるフリをしっかり作れています。

よって、毎回安定した笑いを起こせるのでしょう。

これまでやってくださったどのネタも外れがなく、「入って半年でこんなにハイクオリティ!?」と驚きを禁じ得ない塾生さんが続出です。

 

天ぷら十年ナガサワさんは、近々やるライブでの導入の候補をふたつ上演してくださいました。

「AとBのどちらがいいですか?」という、ネタの一部のABテストをされていたのですが、このようにネタの一部を抜粋して、反応の良かった方を残すというのは、理にかなったやり方ですね。

ネタは構造的に作られているものなので、「この位置にあるこのくだりは、はたして最適か?」など詳細に見ていくことで、よりネタの質を高めることができます。

 

芥子壺さんは、まずは前回やってくださったネタを披露!

前回よりテンポアップして、すっきりした印象でした。

そして2本目は中二病要素がふんだんに入ったネタをやってくださいました!

2本目のネタはネタ下ろしということもあり、粗削りではありましたが、ブラッシュアップしていけば深く刺さるネタになりそう。

中二病という言葉を知っている人と知らない人がいるので、客層を考えて「ここなら伝わりそう!」というところで発表すれば、印象づくネタに仕上げることができそうです。

お笑いのネタはターゲットを想定して作り上げるものなので、オタク要素の強いネタであれば、サブカル好きの人が集まりそうなイベントや会場を狙い撃ちするのも、ひとつの手!?

 

鉄道芸人のしろみずさんは、北海道旅行ネタを披露!

すでに見たことがある人でも、繰り返し楽しめますので、伝統芸能!?のような味わいが生まれつつあります。

今年の夏に旅行へ行かれるという、しろみずさん。

旅から帰ってきた、しろみずさんは、旅行体験をベースにしたネタを毎回作ってくれますので、今年もきっとまた新たなネタが生まれることでしょう。

 

トリは、たか・たかやまの漫才。梅干しを無理やり口内へ放り込まれたかのような、天ぷらさんの表情がいいですね。

最初は5分以上あった漫才でしたが、回を重ねるごとにスリムになっていき、ついに4分を切りました。

終盤では、天ぷらさんの表情で笑いを誘うところもあり、ボケ方のバリエーションも豊富。

ここへ来て、たか・たかやまの漫才の質が急角度で上昇しつつあります。

おふたりは漫才だけでなくコントなどにも挑戦し、色々とふたりでやって来ておられますが、やはりだんだんとお互いの呼吸を掴めてきたのでしょう。

恐らく手ごたえを感じられたはず!

「7/8(土)のライブに向けて視界良し!」といえる、たか・たかやまでした。

7/8のライブの前週である7/1(土)に、あと一回お笑い塾がありますので、最後のネタ調整をされる方がおられるはず。

新塾生の方も増えて、さらに活気が出てきたお笑い塾。

今年の下半期も面白いことがたくさんできそうで、今からワクワクしております!!

文章・写真 高田豪(大阪お笑い塾代表)

 

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