2026年8月8日 レギュラーコース「あいうえお作文」「ネタ見せ」
こんにちは。大阪お笑い塾の代表の高田豪です。
ここのところ、毎月のように新塾生の方が増えています。
六年以上、お笑い塾の運営をしていて感じるのが「社会人やアマチュアのお笑いという文化がしっかり根付いてきた」ということですね。
この状況の変化に、お笑い塾の前身の「漫才塾」の創設者・大瀧哲雄も、きっとにっこり喜んでいることでしょう。
それでは、新しい仲間が増えたお笑い塾の授業のレポートにまいりましょう!
今回のテーマ「あいうえお作文で学ぶ緊張と緩和」
今回の授業では、あいうえお作文を題材に、「フリとオチ」「緊張と緩和」という笑いの基本構造を体で理解するワークに取り組みました。
短い文字数の中に緊張と緩和を凝縮させるという点で、あいうえお作文は笑いの設計を学ぶのに非常に適した形式です。
長い漫才やコントよりも構造がシンプルなため、「どこに緊張を置き、どこで裏切るか」という設計の勘所を、集中して掴むことができます。
お笑い塾では、このようなすぐに始められるワークから、お笑いの基礎を習得していただいています。
サンプルで構造を確認する
まずいくつかのサンプルを提示し、その構造を一緒に分析しました。
「からす」
か:かつてないほど巨大なプロジェクトを任され
ら:来月まで休日返上で取り組むと決意した矢先
す:睡魔に勝てず三度寝しました
壮大な決意というフリから、人間の生理的な弱さというオチへの落差。
「みらい」
み:右も左も敵だらけ、そんな会社で働いてます
ら:来週まで命が持つか、そんな会社で働いてます
い:胃薬だけは忘れず飲みますね
命の危険を思わせる緊張から、日常的な自己管理というオチへの落差。
「めがね」
め:目覚めると、妻が残した手紙が机の上に
が:「我慢ばかりさせて、申し訳なかった」と涙が溢れたが
ね:眠たかったので、部屋に戻り二度寝しました
感動的な場面というフリから、脱力する二度寝というオチへの落差。
「とけい」
と:歳を重ねるごとに、人は丸くなっていくと言う
け:決して妥協できない信念が、実はあるんです。
い:居酒屋でお通し代を払うたびに、腹が立ちます
壮大な信念というフリから、日常のささやかな不満というオチへの落差。
これらのサンプルから、共通する原則を確認しました。
前半でしっかりと緊張・期待を積み上げること。最後の一行で、日常的で小さいものに大きく裏切ること。そして緊張が強いほど、オチの効果も大きくなるという関係性です。
実践ワークへ
構造を理解した後、受講生それぞれにお題を出し、実際にあいうえお作文を作ってもらいました。
発表前は「自信ないんですよ~……」と、おっしゃっていた極楽さん。

しかし、短文でしっかり落とす様はさすが!
もしかしたら、自信のなさを見せるというのが前フリになっていたのかも!?
短い形式だからこそ見える、笑いの骨格
あいうえお作文は文字数が限られている分、ごまかしが効きません。緊張の作り方が甘いと最後の笑いが弱くなります。オチの落差が小さければ物足りなさがそのまま伝わってしまいます。
エピソードトークやコントでは、細部の演技や間の取り方でカバーできる部分もありますが、あいうえお作文は構造そのものの強さが試されるのかもしれません。
今回の実践を通じて、緊張と緩和という笑いの基礎ロジックを、よりシンプルな形で体感できた授業になりました。
ネタ見せ
9/5(土)にライブ喫茶亀で、OSAKAお笑い寄席が開催されます。
30回以上続いている、大阪お笑い塾の定期ライブです。
今回は、そちらのライブに向けたネタ見せが行われました。
なすぴー&高橋さんのコンビ。アホーイは4分の漫才を披露。

これまでは漫才コントのみだったおふたりが、初めてしゃべくり漫才に挑戦。
高橋さんのツッコミと、なすぴーの自然体なボケが調和し、非常に良い仕上がりでした。
新境地という感じがいたしますので、今後、しゃべくり漫才路線で進めるのもいいのではないでしょうか。

今回、二本目の発表となった、なすぴー、そして塚田さんのユニットのナニニャーゴ。
ポップな笑いをどんどん出せますし、チャームが持ち味のコンビ。
何度も練習を重ねたこともあり、どんどん息が合ってきています。
今年は、M-1に初チャレンジされるそうで、そちらも楽しみですね!

二本ネタを披露してくれた芥子壺さん。
このあと、東京から来られていた、ちぇく田さんのライブで披露されるネタをやってくださいました。
サクッと短いネタで、インパクトもしっかりある内容。
もう一本は漫談です。漫談は自分で振って自分で落とすしゃべりをしなければならないので、難易度高めのジャンルですが、果敢に挑むマインドが芥子壺さんの強みですね。

鉄道芸人のしろみずさんは、AIとのやりとりをユーモラスな漫談にまとめました。
正確無比に映るAIですが、すっとぼけた面があるのも確か。
鉄道情報に関するやりとりをしていて、噓八百を並べられたので「それは、ちがうよ」と指摘した、しろみずさんでした。
このやりとりをフリップにまとめると、そのままネタにできそうですね。

すごい勢いでネタの質を上げ続けているKさん。
今回も、天丼など繰り返しの技術をしっかり組み込みながら、構造的なネタになっていました。
笑いは「緊張と緩和」によって生まれます。
緊張感が強まるところがあるので、あとはいかに緩和を上手く入れるかが鍵になりそうですね。
ネタをたくさん作れるのはKさんの大きな強み。
ぜひ、この調子でポテンシャルを発揮していただきたいです!

新しく入られたNさんは、なんと初日から二本のネタを披露してくださいました。
その熱量に頭が下がります!
桂枝雀さんの落語をご覧になったことがあるそうでして、今回は落語っぽいネタを座ってやってくれました。
ピンネタの演技では、相手が見えるか見えないかで臨場感が変わります。
Nさんのネタは、しっかり間を作れていたので、対話している相手が見えました。
音楽活動からバンジージャンプまで、かなり幅広く行動されているNさんの加入で、他の塾生さんもおおいに刺激をいただいたいのではないでしょうか。
大阪お笑い塾のレギュラーコースが、ますます盛り上がっていきそうで、ありがたいです。
次回のお笑い塾の講義は、8/29(土)です。
ライブ前の最後の授業になりますので、また熱量の高いネタが発表されることでしょう。
今年も酷暑ですので、みなさまもしっかり塩分と水分補給していただき熱中症には、くれぐれもお気をつけくださいませ。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!
高田豪(大阪お笑い塾・代表)
