2026年7月25日 レギュラーコース「サンドウィッチマンのネタは、なぜ伝わりやすい?」「ネタ見せ」
こんにちは。大阪お笑い塾の代表の高田豪です。
賞レースの初戦が始まり、大阪のお笑いの世界もにわかにバタバタし始めています。
今年も恐らくM-1グランプリのエントリーは、1万組を超えることでしょう。
大阪のお笑い熱の高まりを肌で感じますね。
さて今回から、また新しい仲間がひとり加わりました。魅力的なキャラをお持ちですので、どんなネタを発表されるか楽しみです。
そして、授業に見学者の方が一名来られていました。
お笑い塾の見学を希望される方は、こちらのアドレスにご連絡いただけると幸いです。
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nejisiki27@gmail.com
お笑い塾の音声コンテンツの更新
お笑い塾では、ネットラジオやVOICYなどの音声配信を行っています。
塾生の方や、お笑い塾や大阪にゆかりのある方にご参加していただいています。
こちらは栗尾真理さんに出ていただいたものです▼
古巣のカルチャースクール「大阪お笑い塾」(前身:漫才塾)のチャンネルでお話させて頂いております。
よろしければhttps://t.co/qawMf4MNnr
— 栗尾真理@演芸部員🌰 (@okuri_san) July 19, 2026
こちらのURLからサイトへ飛んでいただけます▼
https://voicy.jp/channel/821389/8026906
こちらは、新塾生の広瀬きゅうりさんに出ていただいたネットラジオ▼
どちらも、お聴きいただけると幸いです!
「サンドウィッチマンはなぜ老若男女に愛されるのか」
今回の授業では、サンドウィッチマンのネタを徹底的に解剖しました。

ライブをすると、たちまちソールドアウト。
子どもから高齢者まで、そしてお笑い業界内でも評価が高いという稀有な立ち位置を持つこのコンビの笑いの構造を分解し、アマチュアがそのまま学べる要素を抽出していきました。
シチュエーションのわかりやすさ
まず確認したのは、ネタの舞台設定です。
ピザの出前、ラーメン屋の食レポ、不動産屋、ハンバーガー屋——サンドウィッチマンのネタはすべて、誰もが一度は経験したことのある日常の場面から始まります。
このわかりやすさが持つ意味は大きい、という話をしました。
非日常的な設定は説明の時間が必要ですが、日常の設定は説明が不要です。観客は一瞬で状況を理解できるため、笑いに至るまでの助走がほとんどいらない。
老若男女に受け入れられる最大の理由は、まずこの「誰でもわかる入り口」にあります。
ボケの物量と畳みかけ
次に注目したのは、ボケの数の多さです。台本を実際に文字起こしして数えてみると、4分程度のネタの中に多くのボケが詰め込まれていることがわかりました。
一発一発の強度はそれほど高くありません。しかしその分、外れにくい。
中程度のボケを畳みかけるように連続させることで、観客が息をつく間もなく笑いが積み重なっていきます。
一発の爆発力で勝負するタイプの芸人とは異なる、「密度」で勝負するスタイルと言えるかもしれません。
言葉のズラシという技術
授業の中心となったのが、富澤さんの言葉のズラシの構造分析です。
「責任者出せ」を「医者出せ」と聞き間違える、「リピーター」を「ピーターさん」に変換する。
これらは単なるでたらめではなく、音が近い言葉を利用した精密な言葉遊びであるという解説をしました。完全にランダムな間違いではなく、「一瞬なるほどと思わせる近さ」があるからこそ、聞き手は納得しながら裏切られ気づけば笑っているのです。
動作の見た目を誤読するボケ
言葉だけでなく、動作の見た目を誤読するボケについても扱いました。
グルメレポーターのネタで、ラーメン屋の場面で、店長が湯切りをしている(ザルを振る動作)のを見て、富澤さんが「モグラ叩きしてるとこすいません」と言う場面があります。
実際の動作とは違う、しかし見た目としては近い動作を持ち出すことで、観客の中に「たしかにちょっと似ているかもしれない」という納得が生まれます。
この視覚的な納得があるからこそ、明らかに間違っているのに笑って受け入れられるという構造を確認しました。
言葉の音の近さだけでなく、動作の見た目の近さも、同じ原理でボケの素材になるという点は、受講生にとって新しい発見だったようです。
「ちょっと何言ってるかわかんないすけど」の凄み
受講生の反応が特に大きかったのが、この一言についての分析でした。
普通に聞けば、何の変哲もない言葉です。しかしこの言葉が笑いになるのは、それを言っている富澤さん自身が、直前に理解不能なことを言っている張本人だからでしょう。
自分が話の脱線を引き起こしておきながら、まるで他人事のように「何言ってるかわかんない」と言う。この自己言及のねじれが、シンプルな一言に強い効果を持たせています。
特別な言葉を使わなくても、状況とキャラクターの組み合わせだけで普通の言葉がギャグになる——この発見は、受講生にとって大きな収穫になったようです。
ネタで再現しやすい技術が満載!
今回の授業を通じて確認できたのは、サンドウィッチマンの笑いが「才能」だけでなく、緻密な「設計」によって成り立っているところです。
日常の場面を選ぶこと、ボケの物量を増やして畳みかけること、言葉の音の近さや動作の見た目の近さを利用したズラシ。
これらはいずれも再現しやすいと言えるでしょう。
ボケをアレンジして実践!
実際に、食レポネタのボケをアレンジして短尺で実演していただきました。
座学のみではお笑いの技術は上がりません。
インプット後、すぐにアウトプットして定着するのがお笑い塾のスタイルです。
写真左の芥子壺さんとKさんのコンビは、男女のちがいだけでなく、かなり対格差があるので対比がきいていますね。

芥子壺さんが、ラーメン屋の客層になよっとした人が多いと耳にしたあと、「ああ、類は友を呼ぶ、というやつですね」とぼそりと口にした瞬間、大きな笑いが起こりました。
ネタ見せ
9/5に開催される、お笑い塾の主催ライブOSAKAお笑い寄席に向けてのネタが発表されました。
どのようなネタが上演されたのかを、見ていきましょう。
芥子壺さんは、ハリセンマシーンをパワーアップさせて登場。

手先が器用で、アイテム作りの腕が天下一品の芥子壺さんは、それを存分にお笑いのネタに活用しています。
途中でマシーンの中がぱかっと開いて、構造が開示される場面で毎度盛り上がります。
ネタ時間も3分ほどどと、カスタムしやすい尺ですね。
笑いの基礎ロジックは、ボケを隠すなので、マシーンの中に、あっと驚くような仕掛けがあってもいいかもしれません。
2本目のネタは、シンプルな地口ネタ。こちらでも芥子壺さんのアイテム作りの腕がいかんなく発揮されていました。
ネタを作り続けられる芥子壺さんのお笑い熱は、年々高まる一方です🔥
Kさんは、新ネタを作ってきてくださいました。

前回のネタでコツをつかんだのか、ぐんとレベルの上がった印象があります。
柔軟体操をするはずが、気づけば妙な動きをさせられ、しかもそれが往年のアイドルダンスだったという構造。
組み立てが巧みで、伏線もしっかり回収されていました。
新たにもう一本のネタも作成中ということですので、そちらも楽しみですね。
塚田さん、なすぴーのコンビのナニニャーゴ。

M-1への挑戦に向けて、着々とブラッシュアップ中。
おふたりのポップな空気は、会場をなごませるにちがいありません。
ネタ時間が2分を少し超えていたので、ゆとりをもって2分以内に終われる長さになればさらにいいですね。
最後は、おうじさまず。

こちらのおふたりも、M-1一回戦に向けてネタを仕上げておられました。
テンポは申し分なしですので、中盤から後半の盛り上がりを追加できるとよさそう。
サンドウィッチマンではないですが、ボケの此花六丁目さんがツッコミに失礼ボケをかますと、フィットしそうな感じがいたします。
9/5のライブまで残り2回。
新しい塾生さんが入られたことで、刺激を受ける方も多いのではないでしょうか。
みなさんが楽しみながらお笑いをされているのが、自然と伝わってまいります。
次回は、どんなネタが発表されるのか楽しみですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
高田豪(大阪お笑い塾代表)

