9月はずっと残暑続きでしたが、みなさんお変わりないでしょうか?
やっと10月という感じですね。
さて10/7(土)には、OSAKAお笑い寄席のスピンオフライブ『エンジョイ 万葉時代』が開催されます。
お笑い塾では、俳句のクラブを作るなど文化とのつながりに重きを置いています。
『エンジョイ 万葉時代』では、当時の人達がどんな暮らしをしているかなどに触れながら、お笑いのネタを提供。
「お客さまと一体になる」ということをテーマの新しい試みです。
10/7(土)15時開場、15時15分開演、終演は16時。
会場は、城東区民センター4階会議室。
入場料金は500円です。
ぜひご観覧にいらしてくださいね!
笑いを生み出す物の見方とは?
今年は、たくさんの方がお笑い塾の見学に来られています。
本日も2名の方が、見学に足を運んでくださいました。
お笑い塾へ通われる方の目的は様々です。
「漫才やコントをできるようになりたい」という方もおられれば「普段、人前で話す機会が少ないので、みんなの前で緊張せずに話せるようになりたい」という方もおられます。
さて本日は、笑いを生み出せる物の見方というテーマで講義をいたしました。
「どういった視点から対象を見るか?」は、笑いを生み出す上で重要です。
ダウンタウンの松本人志さんは、鋭い視点で物事を観察される芸人さん。
よく例に出されるのが、初期のダウンタウンのネタです。
「カモシカのような脚という言い方はおかしい!」というのが松本さんの主張。
一般的にカモシカのような脚ときけば、スラリと伸びた脚を連想しがち。
しかし、松本さんは「カモシカのような脚」では言葉足りずで「カモシカの脚のような脚」と言うべきと主張し、笑いを誘いました。
これなんかは「なるほど!」「確かにそうだ」といった納得感がありますね。
多数派の視点ではなく、「言われてみれば、まさにそう」と思わせる鋭い視点には、共感要素も必要です。
ただ奇抜なことを言えばいい、というわけではないんですね。
さて今回の課題は「長年、使い続けている愛着がある物」についての発表。
こちらは前回、新しく入塾された中野さん。お笑い塾の最年少ホープです。
中野さんは、長年愛用していた爪切りの話を発表。
愛着のある爪切りだったそうですが、1年間100均の爪切りを使った途端、すぐ新爪切りになじんでしまったとのことでした。
それだけ中野さんに柔軟性があるという証拠かもしれないですね。
シアリスのツッコミ畠山さんは、ソーイングセットを持参。
物持ちが良くないことを自覚している畠山さんですが、こちらのソーイングセットだけは20年以上使い続けておられるそうです。
今回ソーイングセットの箱の裏を見て気づいたのが、お姉さんの名前のシールが貼られているということ。
お姉さんの名前の上に、自分の名前のシールを数回貼り付けた痕跡があるそうなので、姉妹で壮絶なソーイングセット戦争が繰り広げられた過去があったのかもしれないですね。
課題を発表してもらったあとに、みなさんに「今度は、物から自分を見た際に、その物はあなたに対して何と言っているかを発表してください」とお願いしました。
意図としては「自分以外の視点から自身を見た場合、どのようにツッコミを入れられるか?」を知ってもらうというもの。
「いつまで使い続けてるねん」「そろそろ買い替えどき、ちゃいますか?」など、ユーモラスな発言が多数飛び出しました。
日本には、付喪神の文化があります。付喪神とは、長年使い続けた物に魂が宿るという概念。
人気の高い『刀剣乱舞』も、刀の擬人化なので付喪神的な着想。
みなさんも、「長年使い続けたアイテムが自分に何か一言告げるとしたら、何と言う?」のを考えてみてはいかがでしょう?
視点転換のトレーニングになりますよ。
ネタ見せ
今週もたくさんの方がネタを披露してくださいました。
トップバッターは高橋さん。
10/7の万葉イベントに披露するネタを発表。
当時の暮らしがいかに質素だったのかを、わかりやすくトーク。
笑いだけでなく「へえ~」「それは大変」「私にはそんな食生活、無理」といった反応がありました。
当日は、モニターなどの視覚的な情報を用いるため、さらにわかりやすくなることでしょう。
本番が楽しみです。
前回ゲスト講師で来ていただいた演芸作家の石山悦子さんのアドバイスをしっかり取り入れ、冗長だった部分をカット。
テンポがよくなり、さくさくと楽しめるネタに進化しました。
ネタはシンプルなのが理想。余剰の部分はどんどん省くと、より楽しみやすいものになります。
芥子壺さんは、アイテムを使用したネタを披露。
自分の額をペシペシ叩く、ツッコミ装置を使い笑いをとっていました。
テレビ番組の通販という枠組みが入っているので、それも見やすさにつながっていますね。
犬飼さんは、「違和感を覚える言葉」というフリップネタを発表。
彼女独特の視点と、癖になる引き芸の語りは今日も健在。
着眼点が良いので、ボケの並びをさらに意識することで、さらに面白くなるでしょう。
シアリスは前回の漫才を、少し短めにして発表。
石山悦子さんから「畠山さんが感情を露にすることで、どういう漫才かが早い段階で提示できる」というご意見をいただきました。
そこをしっかり意識した畠山さん。
自由奔放な塚田さんに振り回されながらも、礼儀作法を説く姿勢が笑いになります。
関西人の畠山さんですが、標準語のツッコミが不思議とフィットしておりました。
11/26(日)のOSAKAお笑い寄席に向けて、着々と仕上がっていますね。
次回の大阪お笑い塾の講義は、10/14(土)です。
それではまた次回のレポートでお会いいたしましょう。
最後まで読んでいただいた、ありがとうございました!
写真・文 高田豪(大阪お笑い塾代表)
コメント