2025年6月28日の授業レポート「形容詞の組み合わせで新語作り」「ネタ見せ」

授業レポート&ライブレポート

こんにちは。

大阪お笑い塾の代表の高田豪です。

本日の授業で、2025年も折り返しです。あっという間ですね。

今日の午前中にはビギナーコースの講義がございました。こちらからお読みいただけます▼

ビギナーコースとレギュラーコースの両方で、お笑い塾の授業を学びまくっているケンさんがこちらでお笑い塾について語ってくれています。

こちらもぜひご覧いただけますと、嬉しいです▼

創作とは掛け合わせである

みなさんは「創作」と聞いて何を思い浮かべますか?

ゼロから何かを生み出す行為を思い浮かべがちですが、実際の創作には大きく二種類があります。

・0から1を生み出す創作

・異なる二つ以上の要素を組み合わせる創作

ビートルズやダウンタウンのように、その業界のビフォーアフターを完全に変えてしまう怪物は0から1を作り出す力を持っています。

しかしそんな大天才は、ほとんどいません。

何十年か何百年の一度、急に現れるイメージですね。

塾生の方に「憧れたことのある天才は?」と尋ねると、ニルヴァーナのカート・コバーンという答えが返ってまいりました。

意外というわけでもないですが、男性陣にはカート・コバーンのファンが結構多かったようです。

一方で、「異なる二つ以上の要素を組み合わせる創作」は、あらゆる創作の分野で用いられています。

たとえば、国民的アニメの『ドラえもん』は「古典落語」と「少し不思議系SF」という二つの要素を組み合わせることで生まれた作品です。

『北斗の拳』は「マッドマックスのような荒廃した核戦争後の世界観」と「ブルース・リーのような格闘アクション」を組み合わせることで唯一無二の作品となりました。

そして『ONE PIECE』は、「次郎長三国志のような任侠物語」と「ジャンプ的な少年漫画」の要素を掛け合わせて生まれた作品です。

ルフィたちは義理人情に厚く、仲間を大切にし、海賊でありながら義侠心のような心を持ちつつ、冒険を繰り広げます。

この「異なる要素の組み合わせによる創作」のよいところは、特別なセンスがなくても誰でも気軽に取り組めるところでしょう。特に簡単に取り組める練習として有効なのが「形容詞の掛け合わせ」です。

形容詞をふたつ組み合わせて新語を作る

既存の形容詞を二つ掛け合わせて新しい言葉を作り、そこからキャラクター設定や作品タイトル、物語の着想を得る方法です。

懐かしい言葉を含んで恐縮ですが、実際、私たちは「キモカワいい」「エロかっこいい」「エロかしこい」という形容詞の掛け合わせを日常的に目にしています。

「キモカワ(キモい+かわいい)」はお笑い芸人アンガールズやバラエティ番組のキャラクターで使われ、気持ち悪さがあるのにどこか憎めない存在を表現する言葉です。

「エロかっこいい」は倖田來未さんのキャラクターを象徴する言葉で、大人の色気を持ちつつパフォーマンスとしてクールでスタイリッシュな姿を示しています。

「エロかしこい」は優木まおみさんのように、知性と色気を兼ね備えた人物を表す言葉として使われています。

これらの言葉は「二つの要素を組み合わせただけ」ですが、たったそれだけで新しいイメージと記憶に残るキャラクター像を作ることに成功しています。

当時、優木まおみさんは「自分には芸能界で売りにできるような個性がない」と悩んでいたそうですが、「エロかしこい」のキャッチコピーにより、ご自身を印象づけることができてずいぶん助かったそうです。

つまり、この発想を訓練すれば、誰でも独自の創作アイデアを生み出す力を身につけられるのです。

例えば「さびしい」に「美しい」を足すと、さびし美しいになります。

さびしさをまとった美しさといえば、薄幸の美女という感じもいたしますね。

このように言葉を掛け合わせることで、微細なニュアンスを生み出すことができます。

今回はみなさんに、形容詞を組み合わせた新しい言葉を考えていただきました。

こちらは真剣に「どう組み合わせたら、おもろい言葉ができるんやろ?」と考えておられる図です▼

あなたもぜひ、興味があれば気になる形容詞を二つ選んで組み合わせ、そこからどんな新たな言葉やキャラクターが生まれるか、挑戦してみてくださいね。

ネタ見せ

大阪お笑い塾では、授業の最後に毎回ネタ見せを行っています。

今回は7/5(土)に楽屋Aで開催される第30回OSAKAお笑い寄席に向けたネタ見せが行われました。


芥子壺さんは、作りたての新ネタを披露されました。

山の女神という擬人化コント。

観光客やユーチューバーといったトレンドの話題を上手く盛り込んでおられました。

こういったファンタジックな設定は、いかに自分事のように疑似体験させるかが大事ですので、BGMや衣装などを上手く活用することで、世界観が出せそうですね。


天ぷら十年ナガサワさんは、おじさんの悲哀ネタ。

何をやっても世間からひどい扱いをうけがちなおじさんの切なさを、おじさん目線で語りました。

LINEの構文などキャッチーな要素がありましたので、共感部分を入れることで、さらに面白くなりそうです。


鉄道芸人のしろみずさんは、鉄道ダジャレフリップネタシリーズ。

今回はアンパンマンを題材に、たくさんのボケを入れました。

前回よりも、アンパンマンの有名フレーズが増えたことで、わかりやすいネタに仕上がっていました。


なすぴーは、小柄女子あるあるという切り口のピン芸。

最初は共感要素を入れつつ、だんだんと飛躍させていくという巧みな展開。

「小柄な女性が増えると世界が平和になり、戦争もなくなるのでは?」

と壮大なところへ着地しました。

やはり発想の角度に独自性がある方なので、そこがかなりの強みですね。


オジーサンズは、テッさんがお休みということで、急遽ケンさんが代理を務めてくれました!

ケンさん、頼りになります!!

前回の漫才は軸が多かったため、今回は軸をひとつにしぼり要素を減らしたため、ぐっと見やすくなりました。

野球部を会社に置き換えるという、誰でもすっと理解できる内容だったので、練習を重ねることでたくさんの笑いを誘えるネタになるでしょう!


芥子壺さん、極楽さんのコンビ、ヘブンズポピーは、前回のネタをブラッシュアップ。

3分以内にまとまり、テンポよい展開が作れるようになりました。

芥子壺さんの巻き込まれている感もしっかり出せており、そこも面白ポイントですね。

本番では「元気よくリズミカルに」を意識すれば、コンスタントに笑いをとれそうなネタです!


シアリスは万博をテーマにした漫才の最終調整。

楽しいボケも増え、笑いも安定してとれています。

4分を少し過ぎてしまったので、3分半~4分の尺を意識するとさらによくなりそうですね。


最後は、たかたかやま。

中盤から後半にかけて、どんどん感情が高まり盛り上がっていきます。

惜しむらくは、前半がゆっくりなところかも?

前半1分以内に、しっかり笑いをとれていれば、全体のバランスがバッチリになりますね。


というわけで、今回も熱いネタ見せが行われました。

2か月に一度のペースで行われているOSAKAお笑い寄席も、ついに30回。

今回は30回記念ということで、楽屋Aで開催いたします。

詳細はこちらのページからご覧いただけます▼

第30回OSAKAお笑い寄席の詳細

みなさまのご来場、心よりお待ちしております。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!

高田豪(大阪お笑い塾・代表)

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