みなさん、こんにちは!
朝と夜が冷えるようになってきましたが、お変わりないでしょうか?
10月16日から、M-1グランプリの2回戦がスタートします。
大阪お笑い塾に通われている天ぷら十年ナガサワさん。彼の組まれるコンビが、めでたく初戦を通過。2回戦へ進出されています。
2023年のM-1グランプリにエントリーした組数は8,540組。前年から1,279組増えました。
エントリーされた方の半数が社会人。
「漫才は観るだけじゃなく、自分でやるもの」という認識が広がりつつありますね。
塾生主導のイベント『エンジョイ万葉時代』
さて先日、お笑い塾では塾生さん主導のライブ『エンジョイ万葉時代』が開催されました。
お笑い塾では、俳句など文化的な活動の取り組みをしています。
『エンジョイ万葉時代』は「万葉時代の文化をお笑いのネタに変えよう」というテーマの催し。
万葉時代の定義は諸説ありますが、おおよそ飛鳥時代、奈良時代の7世紀から8世紀ころです。
当日の様子をお伝えしましょう。
高橋さんが、トップバッターを務めました。
パワーポイントを使いながら、当時の人達がどのような食生活をしていたかを語ります。
「令和で暮らす我々と比べるとどうか?」という視点がわかりやすく、お客さんも笑いながら「勉強になる」と、しきりに頷いておられました。
お次はシアリスの漫才です。おふたりとも、この日のために衣装をオーダーメイド。
客席にはOSAKAお笑い寄席をよく見に来られている方が、数名いらっしゃったのですが、最初、塚田さんを見て「別人と思った!」と驚いておられました。
万葉をテーマにしたシアリスの漫才で、さらに会場が温まりました。
写真左側の塚田さんがゴージャスですね!
こちらは塚田さんのピンネタ。お人形との掛け合いをされていました。
この日のために、Amazonで小道具を購入するなど、準備万端!
芥子壺さんは、青い化け物ちゃんのネタ。
お客さんも巻き込み、ライブのコンセプトである「客席と一体になる」が早くも実現!
最後はクイズコーナー。
お客さんに「誰が正解できるか?」を指名していただくという客席参加方式でした。
正解数の多い人を見事当てたお客様には、畠山さんからプレゼントをお渡しする…予定だったものの「あっ、玄関に忘れてきた…」と本番で気づくずっこけハプニングも!!
プレゼント受け取る方が、幸いOSAKAお笑い寄席の常連のお客様でしたので、また次回のライブでお渡しするという流れになりました。
お笑い寄席の定期ライブ「OSAKAお笑い寄席」とはまた異なる趣の『エンジョイ万葉時代』。
来年も、またこうしたライブを開催するかもしれません。
自分達で企画を立てて会場を押さえて集客をするというのは、みなさん初めての経験。それゆえにたくさんの学びがあったはず。
『エンジョイ万葉時代』の振り返りを、お笑い塾のネットラジオでしておりますので、よければお聴きくださいませ▼
笑いと価値観
さて本日から、また新たな塾生さんが仲間に加わりました。
入塾者が増えると、ますますお笑い塾が活気づきます。
今回のテーマは価値観。
100人いれば、100通りに価値観があります。
価値観が同じであれば意気投合しやすく、あまりにかけ離れた価値観の人とは仲良くなれないかも?
それは笑いにおいても同じ。
コンビが揉めるのは、たいてい価値観の違いです。
お互いの信念と正しさがぶつかり合った結果、仲たがいする人達も珍しくありません。
お笑い塾で、長期的に関係が続いているコンビといえばシアリス。
良い関係のコンビほど、「あなたはこの担当をお願い。私はここを担当するから」といった感じで、分担と分業がしっかりできています。
みなさんは日常生活で「あれ? 自分の価値観てみんなと違う…!?」と感じたことはありませんか?
実はこの体験や感情の動きが、お笑いのネタを作る種になります。
本日は「自分の価値観がみんなと違うと感じたこと」を発表していただきました。
ケンさんは、スニーカーが大好き。
しかしお父さんには、ケンさんのスニーカー愛が伝わりません。「大事なスニーカーを雑に扱われて悲しかった」というエピソードを証拠写真を見せながら、わかりやすく語ってくれました。
今日から新しく入塾された福崎さん。
先日、海外旅行へ足を運んだ際のエピソードをしてくださいました!
外国人と日本人は大きく価値観が違います。そのため、旅行先でカルチャーショックを受けた人も多いはず。
テーマに即したエピソードのチョイスがいいですね!
鉄道芸人のしろみずさんは、昔から価値観の違いに戸惑うことが多かったそうです。
しかし「鉄道大好き」という信念がしっかりあるためブレることがありません。
戸惑いを感じることがあるものの、自分軸を持つしろみずさんのパーソナリティが伝わる話しぶりでした。
音楽が大好きな天ぷら十年ナガサワさん。
この夏にフェスへ足を運んだ天ぷらさん。音楽をどう楽しむかは人それぞれではあるものの「そんな楽しみ方ってあるの?」と違和感を覚えたエピソードを話されました。
高橋さんは、価値観の違う後輩と海外旅行について。
旅行前にスケジュールを詰め詰めにしたい後輩と、ひとつの場所でゆっくり過ごしたい高橋さんとの間で、いつも討論になるそうです。
そこで話し合ってお互いの落としどころを探り旅へ行くものの、やはり価値観の違いに戸惑うのだとか。
しかし、その後輩とは今後も旅行に行きそうな話しぶりの高橋さん。ぼやいてはいるものの、馬が合うのでしょう。
全員を紹介はできないものの、いずれもその方の個性がにじみ出る興味深いエピソードが目白押しでした。
最近はYouTubeで様々なお笑いを学ぶことができます。そのため、笑いのとりやすいフォーマットを短時間に習得することも可能に。
ただし最初から枠組みに捉われすぎると、エネルギーが落ちて、こじんまりしたネタに埋没すする危険性も…。
内側から湧き上がる「この笑いがしたい!」という思いを大切にして、それをフォーマットで整えれば見やすくなるでしょう。
各々が持つ価値観とはパーソナリティでありオリジナリティです。
まずそこが根っこにあることを忘れてはいけません。
フォーマットありきではなく、まず最初にやりたい笑いがあって、その次にフォーマットと覚えておいていただけると幸いです。
ネタ発表の時間
さて授業の最後はネタ発表のコーナー。
最近、あるライブに初参戦したというケンさん。
そこで披露したネタをやってくれました。
ゲームや漫画の必殺技を詰め込んだネタ。
押しの部分が大半を占めているものの、ふっと緩む瞬間があり、そこが笑いを取れそうな箇所でした。
やはり笑いの基本原理は、緊張と緩和。いかに自分のキャラをフリにして、緩みを作れるかを意識すればさらに向上していくことでしょう。
犬飼さんは、初めてコントにチャレンジ。
視力測定で思いもよらないものが表示されるという、ズラしネタ。
まず誰もが受けたことのある視力測定というシチュエーションを持ってきたのがいいですね。
突飛すぎる設定は枠組みがわからなくなるため、お客さんは世界に没入しづらいもの。
わかりやすい設定の中で、裏切りを入れると良い塩梅で調和が崩れ、笑いを呼びます。
これまでフリップ芸をされてきた犬飼さんですが、違う形式へ取り組む姿勢は意欲的ですね。
このネタを見た塾生さんからは「ズラし方のセンスが抜群」という感想が出ました。
お笑い熱が恒常的に高い芥子壺さんは、2本のネタをやってくださいました。
1本目は、前回の授業でも披露してくれたアイテムを使ったもの。
2本目はフリップによる「嵐の大野智さんいない説」のプレゼン。
オリジナリティあふれる着想ですので、「なぜ芥子壺さんが大野さんのネタをするのか?」という理由が加わればさらに見やすさが上がって、笑いを生み出せそうです。
いつも積極的にネタを発表する芥子壺さんの姿勢は、お笑い塾の塾生さんに刺激を与えてくれています。
シアリスの漫才は、「塚田さんが待ち合わせに遅刻」という実際にあった出来事から作られたものです。
これまで強い感情表現をあまり見せなかった畠山さん。あえて怒気を含んだ口調から入ることで、緊張感の演出に成功。
「ボケの語源は、とぼけ」という説があります。
塚田さんのとぼけっぷりと、それをとがめる畠山さんというふたりの関係性がわかりやすく伝わるネタに仕上がっていました。
11/26(日)に行われるシアターセブンでのOSAKAお笑い寄席に向けて、着々と精度が上がっています。
最後は、たかたかやまの漫才。こちらも11/26のOSAKAお笑い寄席に向けた漫才です。
天ぷらさんのボケがわかりやすく、ツッコミの高橋さんの強弱がついており、見やすい漫才です。
エネルギーのある掛け合いも健在。
ネタはお客さんが少しでも「それって、どういうこと?」と疑問を持った瞬間に離れることがあります。
「行動の理由や動機」を入れることで、整合性がとれるようになります。
今回の漫才は、叩き台という感じでしたので、ここからどんどん良くなっていくことでしょう。
さて11月26日にシアターセブンで開催するチラシが完成しました!
こちらのライブの司会は、大阪男塾に務めていただきます。
ネタだけでなく、大喜利コーナーもありますので、ぜひお楽しみくださいませ。
ご予約は、下記のシアターセブンのホームページからお願いいたします!
次回の授業レポートは、2週間後。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!
写真・文 高田豪(大阪お笑い塾代表)
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