こんにちは。大阪お笑い塾の代表の高田豪です。
今回は、お笑い芸人とある感覚器官の関係について解説します。
笑福亭鶴瓶さんは、毎年「鶴瓶噺」を開催するほど、面白いエピソードの数多くお持ちです。
「鶴瓶さんが笑いの神に愛された存在だからこそ、爆笑エピソードが次から次へと起こるんだ」と錯覚する人がおられるかもしれません。
結論からいうと、そうではありません。
鶴瓶さんは、非常に目がいいお方です(※もちろん視力うんぬんという意味ではなく)。日常に起こる様々な些事を見逃さず「これは面白いネタになりそうやな」と、鋭い目を一層鋭く光らせています。だからこそ、毎日のようにネタを拾えますし、ネタのストックが増え続けるのです。
ぼやっと世の中を見ていてもネタは探せないですが、常に鋭敏なアンテナを立てるいる人が解像度の高さが備わった目で観察すると、世間はネタだらけに映ります。
エンタメですのでエピソードトークが完成するまでに、演出や脚色が加えられますが、ネタの種になる部分はリアリズム。ゼロから何かを作ることは困難であるものの、プロのお笑い芸人は「1ある事実を10にする力」がずば抜けています。
鶴瓶さんやさんまさんは、良い意味での「お笑い膨らし粉」を入れる技術が高いですね。本当と噓の境界線がわからないよう、なめらかな仕上がりにするのはまさにプロの技巧です。
そういえば以前ダウンタウンの松本人志さんが、こんなことを話しておられました。
「俺と売れてない若手芸人が、何気なく街を一周したとしたら、拾える情報の量や質がまったくちがう」と。
松本さんも「ガキの使い」「すべらない話」や「放送室」で、数々の爆笑エピソードを披露しておられますが、やはり面白いネタをキャッチする力に長けています。「お笑いの目」が抜群にいいのです。
その根底にあるのは、何だと思いますか?
答えは旺盛な好奇心です。
好奇心が強い人ほど観察力、洞察力に長けています。そして些細なことでも面白がれる才能があります。
前のめりに「何でも面白がる」というスタンスがある人ほど、お笑いのネタを探す目がいいかもしれないですね。
高田豪(大阪お笑い塾・代表)
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