2022年4月23日の授業レポート「ダウンタウンとは?」「苦手や不安の開示」「5月のライブに向けたネタ」

授業レポート&ライブレポート

2022年4月2日と3日に、吉本なんばグランド花月で吉本興業の創業110周年特別公演「伝説の一日」が開催されました。

最も話題になったのは、何といってもダウンタウンのおふたりが漫才をされたことでしょう。


今回の授業は、実際に「伝説の一日」のライブチケットを買い、観覧した高橋さんの話からスタート!

とその前に……、

お笑い塾の授業の前にはネトラジ収録を行っています。

今回は、シアリスのツッコミ担当である畠山さんがゲスト出演してくれました。

司会の高橋さんと、和気あいあいとした雰囲気での収録。

第27回大阪お笑い塾ラジオ『畠山さんをゲストに趣味トーク!』

趣味について語り合った第27回。

クラシカルな映画を先入観なく楽しめる畠山さん。

趣味を楽しむヒントが聞けるかも?

それでは授業レポートに戻りましょう!

改めて考える「ダウンタウン」とは?

お笑いをこよなく愛する高橋さんは、ダウンタウンのおふたりの功績を「あらゆることを網羅的にやり尽くした方々」と表現。

これは正鵠を射ています。

ダウンタウンの頭脳といえば、ボケの松本人志さん。

松本さんは、

  • ネタを考える作家的な能力
  • 番組を企画する能力
  • ボケる能力
  • ツッコむ能力
  • 言葉を生み出す能力

などに長けておられます。

ダウンタウンのブレーンであり、幼馴染の放送作家であった高須光聖さんは、松本さんのあまりの天才っぷりに落ち込んだ…と語っておられました。

一流の放送作家から見ても、松本さんの能力は他を圧倒していたのでしょう。

ちなみに松本さんが生み出したとされている言葉は、「シュール」「いたい」「かぶる」「へこむ」など。

今では日常的に使うことも珍しくありませんが、そもそもの発端は松本さんだったわけです。

本を出せば、何百万部も売れるベストセラー。八面六臂の活躍とは、このことでしょう。

その昔、お笑いは作家と演者の役割が分業されていました。しかし、ダウンタウンの登場により、「ネタは演者が自分で考え書くもの」という考えがより加速し普及したと考えられます。

ダウンタウンが、吉本興業のお笑い芸人養成所NSCの記念すべき第一期生だったことも見逃せません。ダウンタウンを「お笑い界のビートルズ」と例える方がおられますが、それほどおふたりの影響は絶大なもの。

ダウンタウン、松本人志さんの影響を受けすぎた人は、ダウンタウン病、松本病に罹患してしまい、抜け出すまでに時間を要するというのもよく耳にする話。

後輩へ絶大な影響を与えたレジェンドが漫才をするとなれば、「この目に焼き付けてやる!」となるのは当然。

還暦近いおふたりですが、生きる伝説として、まだまだ活躍を続けてくださるはずです。

ダウンタウンの功績や後世に与えた影響を振り返りつつ、ダウンタウンの影響を受けていないお笑い芸人についても語りました。

今回の課題は「不安」「苦手」を語る

お笑い塾では、毎回課題をお出しして、授業でみなさんに発表していただいております。

人前でアウトプットをするトレーニングの一環。

今回の課題は、「苦手に感じること」「不安に感じること」を語ろうというもの。

お笑いのネタになりやすいのは、どちらかと言えばポジティヴなものよりネガティヴなもの。

ブラックマヨネーズの漫才で例えると、吉田さんは、小杉さんからの提案に対して「でも〇〇なるかもしれへんからな」とネガティヴな返しをします。

これは予期不安と呼ばれるもので、未来を考えた際にネガティヴな考えが浮かんで不安になる状態。

お笑い芸人の方々は、世間では隠しておいた方が良いとされる弱点を人前で晒せる強さがあります。

もしウィークポイントを笑いに昇華できれば、心が楽になるはず!

ネガティヴがポジティブなものに転換されれば、救われますよね?

印象に残った方々をご紹介いたしましょう。

お笑い塾のイケメン番長アカソフさん。

彼が苦手なのは、突然放たれる大きなクシャミ。

一部の大阪人はなぜか「…ックション!おらああああ!!!」などと末尾に余計な威嚇を入れることもあり(笑)、不意を突かれると、びくっとなっちゃいますね。

音楽をやられているアカソフさんだからこそ、聴覚が敏感なのかもしれません。

 

本日は黒でシックに決めた塚田さん。

注射を打たれることが苦手…とお話されていましたが、途中から急にツボに入ったのか、一転して笑顔に。

塚田さんの笑顔は、みなさんを明るくする効果が強く、彼女が話し終えたときには、みなさんニッコニコになっていました!

表情だけで人を楽しくさせられるのは、塚田さんが持つ特性ですね。

苦手なもの、不安に感じるものを誰かに伝えることは勇気がいる行為。

しかし、それを受容してもらったり、あるいは笑いを誘導できるトークにまで仕立てあげることができれば、自分の中で意味や解釈を前向きな方向へと変えられるのです。

みなさん果敢に課題へ挑戦していただき、今まで開示していなかった面を、お話してくださいました。

最後はネタの時間!

授業の締めくくりは、毎回ネタのお時間。

5月は7日と29日にライブがあります。みなさん、そちらへ向けて気合が入ったネタをしてくださいました。

前回に引き続きこの日も、見学者の方が来られていたのですが、ネタの感想を言ってくださるなど、積極的に参加してくださっていたのは嬉しい限り!

演技力に定評があるアカソフさんは、ピンでのコントを2本披露!

1本目は、前回のお笑い塾ライブで、大きな笑いをとれたネタの改良バージョン。

2本目が5月のライブに向けた新ネタです。どんどんネタを作り披露していく姿勢は、かなりアグレッシブ!

意図していたところが伝わっていたところと、そうでないところがあったので、再度、整理して、短くわかりやすく伝えることを意識することで、さらによくなりそうです。

芥子壺さんは、青い化け物ちゃんのネタ。

化け物ちゃんと芥子壺さんの2キャラに、追加で別キャラが入ったため、困惑されている人もおられました。

ネタは複雑化するほど、お客さんに伝わりづらくなります。「いかにシンプルな構造にできるか?」を改めて意識いただければ、芥子壺さんのオリジナリティが発揮されるネタになるでしょう。

 

鉄道芸人のしろみずさんは、フリップ芸を披露。

見学に来られた方からは「面白いだけでなく、勉強になりました!」との声が。

笑いだけでなく、学びをお届けできるのが、しろみずさんの強み。

「5月のライブに向けて、さらに2枚のフリップを追加します」と、おっしゃっていましたので、ネタはまだまだ向上していきそうな予感!

 

高橋さんは、笑福亭鶴瓶さんの鶴瓶噺を聞きに行った際に起こった出来事を漫談にまとめました。

事象をそのまま話すのではなく、彼ならではの言い回しや感情表現が加わっており、聞き手に訴えかけるものがありました。

行動を増やすと、話せるエピソードも比例して増えます。

どんどん行動していただいて、漫談にできる話を増やせれば、飛躍的なレベルアップが見込めそうですね。

 

最後はシアリスの漫才。

塚田さんが自分の世界に入り、勝手に探偵として動き出すというのがネタの醍醐味。

塚田さんが自分の世界に入った際、何をすればいいか迷いがあったという畠山さん。

しかし、塚田さんのパーソナルな情報を小出しにしていき、それがボケとして成立するシステムを発見。これは大きな光明!

シアリスのおふたりは、お笑い塾の俳句部にも所属してくれているのですが、何に対しても真摯に向き合い、ブラッシュアップを続けています。

こういった姿勢がある方は、長期的に見て必ず成長されます。

ネタの時間も前回より短くなっており、5月に向けて確かな前進が確認できたシアリスでした!

次回の授業レポートは、5月14日となりますが、その前にお笑い塾の発表会ライブOSAKAお笑い寄席が、5/7にライブ喫茶亀でございます。

14時開演です!

こちらはチラシを担当の芥子壺さん、ご作成の一枚▼

そしてそして、5/29日は、岡町の伝統芸能館で出張OSAKAお笑い寄席!!

活気あふれる5月になりそうですね!

それでは、またお会いいたしましょう。

ごきげんよう!!

写真・文 高田豪(大阪お笑い塾代表)

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