2024年7月13日の授業レポート「お笑いの競技化」「ネタ見せ」

授業レポート&ライブレポート

こんにちは。大阪お笑い塾の代表の高田豪です。

先週、玉造にある「ライブ喫茶亀」で第24回OSAKAお笑い寄席が開催されました。

まずはそちらを振り返りましょう。

第24回OSAKAお笑い寄席回顧

7/6(土)「ライブ喫茶亀」で24回目のお笑い寄席が開催されました。

こちらはまるでミュージカルの一風景のようですが、ケンとフッキーのコント。

2回目の舞台ですが、堂々と演じ切っていました。

毎度マニアックな企画が行われるコーナーでは、3PEACEのホープであるヒュンゼンさんが高齢化を憂い「年長の芸人を若者受けしやすいように若返ってもらおう」とプロデュースする企画が行われました。

ポーカーフェイスすぎる大阪男塾の幸太郎さんを、表情豊かにしたり、

 

お肌の曲がり角を過ぎてしまったレオンさんのフェイスケアをしたり、

 

詩吟の師範である芥子壺さんに「Tiktokでバズる詩吟」を伝授してくれるなど、大活躍のヒュンゼンさん。

温かいお客様に恵まれたこともあり、今回のコーナーも大いに盛り上がりました。

ご来場いただいたお客様、暑い中お越しくたさいまして誠にありがとうございました!

次回のOSAKAお笑い寄席は、9/7(土)ライブ喫茶亀で14時から開催されます。

第25回のお笑い寄席も、ぜひよろしくお願いいたします。

お笑いの競技化を考える

それでは、7/13(土)のお笑い塾の講義のレポートにまいります。

まず授業冒頭では、お笑い寄席に出演された方に、振り返りをしていただきました。

そして続いて、課題を発表。

今回の課題は「勝って嬉しかったこと、負けて悔しかったこと」です。

一際、印象に残った方をご紹介いたしましょう。

犬飼さんは、会社の企画発表で「お笑い塾で培ったスキルを発揮して、みんなを笑わそう!」と気合を入れて臨みました。

しかし思ったような反応が得られず「こんなはずでは……」と敗北感を感じ悔しかったのだとか。

センスあふれる犬飼さんですが、彼女の企画発表を聞かれた方は「まさか、こんな大喜利のような企画を考えてくるとは⁉」と度肝を抜かれたのかも?

何歩も先を行きすぎていた可能性がありますね。

課題発表のあと「人がなぜ勝ち負けにこだわるのか?」その心理について解説し、続いてお笑いの競技化の話題に移りました。

お笑いの競技化が明確に始まったのは、2001年のM-1グランプリからでしょう。初回の優勝者は、中川家でしたが、当初は参加者も「どんな大会なんや?」と戸惑いながらの出場だったといいます。

その後、M-1は「今、日本で一番面白い漫才師を決める大会」といった位置づけになり、盛り上がりを見せました。

M-1に挑むお笑い芸人は、まるでアスリート。4分間に全てを注ぎ込み、芸人人生を注ぎ込む人もいらっしゃいます。

M-1の舞台裏を収録したドキュメンタリーを見ると、本番前に緊張でえづいている芸人さんも珍しくありません。

スタジオのお客さんも、ただならぬ緊張感で硬くなることも。

視聴者からすれば、本来、楽しむために存在していたお笑いが、いつの間にか優劣を競い合う競技になったのです。

これに関する功罪は様々な人によって語られていますが、明石家さんまさんが口にされたお言葉をお伝えいたします。

「(審査をする)適任者はいないと思いますよ。こういうコンテストで、人生が変わってしまったりもするような点数を付けるとなると」

「『あれ全部100点満点でいいなら出るよ』とは言うてるんです。俺が全員に100点を出すというのでよければ『出てもええよ』というのは言うてあるんですけども」

「それで違いを付けさせたり、人の笑いに口出すほど俺は力はないというのは分かってるから」

といったさんまさんのコメントは、さまざまなところで紹介されていますね。

 

その昔、お茶の間に流れてくる漫才はひとつのネタが15分以上あり、多分にアドリブを入れるなど牧歌的なものでした。

しかしタイパが叫ばれる令和のお笑いは「いかに短時間で人を笑わせられるか?」が追求され、システマティックになっています。

時代の変化といえばそれまでですが「競技のお笑いが全てか?」といえば、そうではないでしょう。

ネタ見せ

お笑い塾では、授業の最後にネタ見せの時間を設けております。

それでは本日、発表されたネタを見ていきましょう。

まずはネタの前に、おすすめ本の紹介。

読書家の高橋さんが「これは、みんなの参考になるのでは?」と紹介してくれた一冊。坪田信貴さんが書かれた『才能の正体』です。

ビリギャルの先生として有名な坪田さんは、吉本興業の会長だった大崎さんとのご縁で、吉本興業の外部取締役に就任されるなど、八面六臂の活躍を見せておられる方です。

「これからの時代は平均的な人材よりも、凹凸のあるトガリのある人材の方が重宝される」といった論を唱えておられず坪田さんの言葉は、お笑いをする上でも参考になりそうですね。

 

芥子壺さんは、以前お笑い寄席で上演したネタを少しアレンジして披露してくださいました。

「アイデアと枠組みが面白い!」と好評だったネタが、さらにバージョンアップ。女性陣に感想を聞くと、各々、共感ポイントがちがっており、そこもまた興味深い点でした。

 

シアリスは、9月7日のライブに向けた漫才を披露してくれました。

これまで冷静にツッコミを入れていた畠山さんが、今回のネタでは感情をこめたツッコミを入れるという、新しい試みがありました。

シアリスは毎回、段階的にブラッシュアップしていくシステムでネタを仕上げていきます。9月7日のライブに向けて、ここからどんどんネタの質を上げていくはず。

次回、こちらの漫才にどのような工夫が加えられているか楽しみですね。

7月のお笑い塾は、授業が2週続けてあります。次回のお笑い塾は、7/20(土)に開催。

それでは、また次週お会いいたしましょう。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!

高田豪(大阪お笑い塾代表)

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