お笑い芸人が生き残る確率は、なんと8000分の1⁉

今回は、「お笑い芸人として生き残れる人の確率は、はたしてどれくらいか?」というシビアな話をいたします。

 

最大の当たり年はNSC33期?

NSC大阪校には、語り継がれる「当たり年」があります。

1期生はダウンタウン・トミーズ・ハイヒールという、後の日本のお笑いシーンを塗り替えた顔ぶれが揃いました。

大阪NSCは1期生に、ダウンタウンという大スターが入るという奇跡が起こったことで、そのあと、一大産業へと発展します。

あと数年経てば、大阪NSCは50期に達します。ダウンタウンから50年と考えると、感慨深いものがあります。

9期生にはナインティナイン・宮川大輔・矢野兵動。

11期生には中川家・陣内智則・ケンドーコバヤシ・たむらけんじ。

33期生には、霜降り明星・コロコロチキチキペッパーズ・ビスケットブラザーズ・男性ブランコ・ニッポンの社長・マユリカ・ZAZYと、M-1・キングオブコント・R-1を席巻する黄金世代が集結しました(敬称略)。

しかし現実には、そういった「当たり年」は例外中の例外です。毎年数百人がNSCに入学し、舞台に立ち、夢を追い続けますが、その大多数はスターになることなく、静かに表舞台から姿を消していきます。まるでスターが出ない年も少なくありません。

それが、お笑いの世界の厳然たる現実です。


8000分の1という数字が示すもの

株式会社コンピュータ技研の採用資料(2024年7月)によると、お笑い芸人としてブレイクする割合は全体の0.1〜3%とも言われており、一生食べていける芸人は約8000人に1人との試算が示されています。

参考:株式会社コンピュータ技研「お笑い芸人採用」資料(2024年7月) https://kkctl.co.jp/202407ComediansHire.pdf

8000分の1。この数字をどう受け止めるかは人それぞれかもしれません。

しかし単純に考えれば、NSCに毎年入学する数百人の中から、一生芸人として食べていける人間が出るかどうかも怪しいレベルの確率です。

甲子園に出場したからといってプロになれるわけではない、プロになったからといって一軍で活躍できるわけではない、そういった競争の厳しさと同じか、それ以上のものがお笑いの世界にはあります。


夢を追いながら、生活は苦しい

さらに過酷なのは、ブレイク前の経済状況です。株式会社NOMALによる「ブレイク前のお笑い芸人の働き方」に関する調査によると、お笑い芸人としての1ヶ月の収入が1万円に満たないケースが85%を超えています

芸人活動だけでは生活できないため、多くの芸人がアルバイトで生計を立てることになりますが、それを含めても月収20万円に満たないケースが98%を占めているのです。

つまり、ほとんどの芸人が夢を追いながら経済的に苦しい状況に置かれているということです。それでも舞台に立ち続ける。ネタを作り続ける。その姿には、純粋な敬意を感じます。


夢に区切りをつける難しさ…

近年、中堅からベテランの漫才師を対象としたお笑いコンテストも増えています。それ自体は素晴らしいことですが、一方で「夢に区切りをつけるタイミング」をさらに難しくしているという側面もあります。

20代で諦めなくていい、30代でも40代でも挑戦できる、その可能性が広がることは喜ばしいことです。

しかしその反面、キャリアの選択肢を考えるべき時期を逃してしまい、気づけば望まないアルバイト生活が何十年も続いてしまうケースも生まれています。

50代でM-1グランプリ優勝をはたした錦鯉のようなお笑い芸人もいるので、「いつかは俺も」という気持ちになることもあるのでしょう。

夢を追うことと、現実的なキャリアを築くことの両立は、芸人にとって永遠の難題です。


それでも、笑いを学ぶ意味

8000分の1という数字を前にしても、笑いを学ぶことに意味がないとは思いません。むしろ逆です。

笑いを学ぶ過程で身につく観察眼、表現力、人を惹きつける話し方、場の空気を読む力。これらはお笑いの舞台だけでなく、仕事でも人間関係でも、日常のあらゆる場面で生きてくるスキルです。

人を笑わせる技術というのは、まだまだ過少評価されている節があります。

しかし、そういった力には数字ではかれないポテンシャルがあることもまた確かなのです。

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