2022年12月3日の授業レポート「漫才の歴史」「分断漫才」「ネタ発表」

授業レポート&ライブレポート

いよいよ師走に入りました。

12月18日にM-1グランプリの決勝が行われます。

今から楽しみです!

さて、本日も授業前にネトラジの収録が行われました。

大阪お笑い塾では俳句部があり、2年ほど活動を続けています。

今回は俳句部のシアリスが、エクストラ高橋酸に俳句の魅力を伝えた後、高橋さんに俳句を作ってもらうという展開に!

どのような俳句ができあがったのかは、本編をお聴きいただき確かめていただけると幸いです▼

第42回大阪お笑い塾ラジオ『エクストラ高橋の俳句チャレンジ!』

漫才の歴史を学ぼう!

M-1シーズンということもあり、今回は漫才についてを掘り下げました。

どのように生まれて、今のような形になったのか、その歴史を紐解きます。

上中で、落語、音頭、浪曲、義太夫などが隆盛を極めていた頃、漫才はサブ的ポジションの演芸として存在していました。

その頃の漫才は、万歳という表記だったのですが、香盤表に「掛け合い」と書かれていたことからもわかるとおり、「掛け合い」という対話を見せるものでした。

漫才の流れが、大きく変わったのは1930年頃。

横山エンタツ・花菱アチャコのおふたりが、「しゃべくり漫才」という新しいスタイルで舞台に立ち注目を集めます。

エンタツアチャコといえば、早慶戦のネタが有名ですね!

ちなみに中川家のおふたりは、「早慶戦」が好きすぎて完コピされているそうです。

中川家のおふたりはかなりのお笑いフリークですので、納得できるエピソード。

それまでは楽器を持ちながら掛け合いをする、音曲漫才が多かったものの、横山エンタツ・花菱アチャコの出現により、「しゃべくり漫才」がどんどん増えていきました。

増えゆく「漫才コント」

最近のM-1を見ていると、かなりの割合で漫才コントが見受けられます。

今でこそスタンダードになった漫才コントですが、いつ頃からこのスタイルがあったのでしょう。

1970年代には、すでに横山やすし・西川きよしのおふたりが「タクシー」という漫才の中で漫才コントをされているのが確認できました。

「ダウンタウンはお笑い界のビートルズである」とよくいわれますが、後の世代に影響を与えています。

1982年にコンビを結成したダウンタウンは、NSCの記念すべき第一期生。

それまでは漫才といえば徒弟制度のみでしたが、NSCができダウンタウンが結成されたことでお笑い界の流れが大きく変化。

ダウンタウンは、やすきよ同様に、しゃべくり漫才もできれば漫才コントもできる万能型でした。

ダウンタウンの「誘拐」という漫才は、漫才コント形式です。

1980年代から90年代は、ダウンタウンが高い熱量で駆け抜けた時代。

漫才ブームで若者が漫才に熱狂する土壌ができた後、ダウンタウンが出現し様々なお笑い実験を続けたことで、漫才はより自由なものになっていきました。

掛け合いではない分断型漫才

2020年のM-1で優勝をはたしたマヂカルラブリー。おふたりの漫才は「これは漫才か否か?」という論争を巻き起こしました。

マヂカルラブリーの漫才は、ボケの野田さんがコントに入るものの、ツッコミの村上さんはコントに入らないポジションをキープしながら、コントの外側からツッコミを入れます。

野田さんは、村上さんのツッコミに対して一切、反応しません(野田さんからは村上さんが、見えていないという設定なので)

漫才が万歳であった頃、香盤表に「掛け合い」と表記されていたと前述しましたが、コントの外側からツッコミを入れると掛け合いにならないため、従来のしゃべくり漫才に慣れている方からすると、違和感を覚えるはず。

それもあって、漫才論争に発展したのかもしれません。

マヂカルラブリーのように、空間が分断されているような演出の分断型漫才の例をM-1の決勝進出者で挙げるなら、2019年M-1の決勝に進出したニューヨークの1本目の「ラブソング」のネタも該当します。

M-1グランプリの決勝は、しゃべくり、漫才コント、分断漫才などがあり、そのスタイルは多岐に渡ります。

漫才の歴史をざっと語ってみましたが、きっと漫才のスタイルはまだまだ変化を遂げるでしょう。

2022年のM-1決勝メンバーでいえば、キュウ、ヨネダ2000といった方々が、また漫才を進化させてくれそうな予感がしますね。

ネタ発表

お笑い塾のエネルギー番長のアカソフさんは、なんと3本のネタを披露してくれました。

アカソフさんといえば、豊かな表情が武器!

所せましと躍動しながら、楽しい表情で場を明るくしてくれました。

R-1にも出場されるとのことなので、今年はぜひ2回戦進出を果たしていただきたいですね。

ネタ数も増え安定した受けがとれるようになってきていますので、十分狙えると思います!

 

芥子壺さんは、フリップネタにチャレンジ。

笑いは前提になっている常識や正解からズラすことで起こりますので、「何をどうズラしているのか?」を明確にすることによって、笑いを増やせそうな印象でした。

12/7に難波のOJスペースで行われるライブにエントリーされている芥子壺さん。

アグレッシブに色々なライブへ出られています!

高橋さんは、1/14(土)14時~行われるお笑い塾ライブへ向けたネタを熱演。

和歌山の情報を紹介し、ツッコミを入れていくというネタです。

前回よりもメリハリが生まれ、見やすくなっていました。

次は今回のネタを、フリップに落とし込むそうなので楽しみですね!

シアリスも1/14のライブに向けたネタを披露。

最近のシアリスの漫才は、コントインした塚田さんを外側から畠山さんがツッコむという分断型漫才。

前回、指摘されていたダレ場のところへボケを足していたので、笑いが増えていました。

ひとつのフリに対して、ボケの数がやや少なめなのはもったいないかも?

同じフリを使って、もう少し笑いをとれそうな感じもしましたので、そこをさらに追及すると、まだまだ笑いが増えそうですね。

次回のお笑い塾は12月17日。M-1グランプリ決勝の前日となります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

写真・文 高田豪(大阪お笑い塾代表)

 

 

 

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