12月17日の土曜日、四ツ橋で本年最後の大阪お笑い塾の授業が行われました。
今年のお笑い塾は、ライブがどんどん熱いものとなり、たくさんのお客様にご来場いただきました。
2023年1月14日(土)には、早速新年最初のお笑い塾ライブ「OSAKAお笑い寄席」が玉造のライブ喫茶亀でございます。
こちらは芥子壺さんが、作ってくださったライブチラシ。
芥子壺さん、いつもありがとうございます!!
というわけで、1/14(土)のライブに向けたコーナー会議をみなさんで行いました。
少々マニアックなジャンルのクイズを企画中。
マニアックなジャンルに関するクイズほど、どのようにお客様をいざなうかが大切となります。
当然ながら、いきなり難解すぎる問題が出ると、それだけでお客様は離れてしまいます。
ゆるやかに段階をつけながら、マニアックな世界に入っていただいてお楽しみいただく!
これはお笑いのネタでマニアックな題材を扱う時も同じでしょう。
「回答者の立ち位置を、こう変えた方が見やすくなるのでは?」「出題する問題の順番を入れ替えた方がいいのでは?」などなど、意見が闊達に飛び出し、企画がより具体化しました。
芥子壺さんが大活躍するであろう、クイズ企画。
ぜひお楽しみにしてくださいね!!
「THE W」の天才ピアニストのネタと立川談志、桂枝雀の発言との共通点
先日、行われた女芸人No.1決定戦「THE W」。
天才ピアニストのおふたりが優勝されました。今回は彼女たちがやっておられたあるネタを取り上げました。
そのネタの切り口が、人の不幸は蜜の味というもの。
天才ピアニストがやられていたネタに触れる前に、立川談志さんの言葉についてご紹介させてください。
「落語は業の肯定である」など、様々な言葉を残された立川談志さん。
あるお店で食事をした際にサインを頼まれた談志さんは、
サインを頼まれたラーメン屋で「我慢して食え 立川談志」と書く家元の毒は最高( ´ ▽ ` )ノ
— 喜多野土竜【 ⋈ 🌰🎍】💉💉+💉 (@mogura2001) September 19, 2017
「我慢して食え」と、皮肉のきいた言葉を色紙に記した逸話の持ち主。
「談志さんは何が好きですか?」という問いに対し、間髪入れず「火事が大好き」と答えたという伝説があります。
今の時代にはそぐわない過激な発言ではありますが、毒を持ち味にしておられた談志さんらしい発言ですね。
「では自分のうちが燃えたらどうするんですか?」と問われた談志さんは、
「自分ちが焼けるのは、火事とは呼ばない。災難というんだ」と切り返したのだとか。
立川談志の枕コレクション
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「立川談志さん、何が好きですか?」
「火事が大好きだ」
「自分のうちが燃えたらどうするんですか?」っていいやがんの。
「手前バカじゃないか?火事ってのは他人の家が焼けるから火事っていうんだ、バカ野郎。自分ちが焼けるのは災難とか何とか云うんだよ」 https://t.co/TZmuG8UMJP— ぽんこ (@26_laksmi) March 8, 2022
談志さんの発言が尖りまくっているので(笑)、少しマイルドな例を挙げましょう。
笑いのメカニズムの解明に注力された桂枝雀さん。
枝雀さんは、笑いを「他人のちょっとした困り」と表現されました。
桂枝雀師匠の笑いの法則の中に「他人のちょっとした困り」というのがあるけれど、それのことを言ってるのだろうか? 他人のちょっとした困りとは、問題の当事者にとっては大したものではない(命を揺るがしたりはしない)程度の困りごとのこと。
— ディービィー (@AsmodeusDB) November 23, 2011
さてここから、天才ピアニストのネタにつながっていきます。
笑いは安全な場所から誰かの困っている様子を見て、優越感を感じる際に発生しやすいのは事実です。
天才ピアニストが、まさに他者の困りを題材にしたネタをされていました。
「THE W」でやられていた、天才ピアニストのネタのあらすじを説明しましょう。
街中で女性(竹内知咲さん)が彼氏と痴話喧嘩をしています。
そこへなにわ風味たっぷりのおばちゃん(ますみさん)が偶然やってきて、「あらカップルが喧嘩してるわ。面白そうやんかいさ~」と関心を持ちます。
痴話喧嘩をつまみにお酒を飲み出し、挙句の果てにはレジャーシートまで敷いてがっつり喧嘩を楽しむという内容。
#天才ピアニスト
即おもろ❗❗喧嘩話聞くためにわざわざ
ビールこうてくるおばちゃん😂これ関西しか許されへん行動ちゃう?#THE_W #女芸人No1 pic.twitter.com/QADI4dueIw
— 💛下克上💙 (@SixTONES6Jesse6) December 10, 2022
談志さんのように他人の火事を楽しむというのは、コンプライアンス的にアウトでしょうし、火事はちょっとした困りどころではないため、万人が共感するものにはなりません。
しかし、痴話喧嘩のような命に支障がないトラブルは、笑える題材としてちょうどよさそう。
ネタを考える機会が多い方は、枝雀さんのおっしゃった「ちょっとした困り」に着目してみるといいかもしれないですよ。
2022年最後のネタ発表!
それでは2022年最後のネタ見せです。
鉄道芸人しろみずさんは、2本のネタを披露してくださいました。
トレンドであるワールドカップを題材にしたネタは、ツッコミ不在でもお客さんが心の中で自然とつっこめる、いい意味で緩いもので、大きな笑いが何度も起こっていました。
体調を崩されていた、しろみずさんですが無事、復活されて何よりです!!
エクストラ高橋さんは、1/14(土)のお笑い寄席に向けた漫談の最終仕上げ。
これまでは漫談のみの形式ですが、今回はスケッチブックに文字を書いてのスタイル。
文字は、ネタを進める上でのキーワードを記した重要な情報。
細かいところになりますが、どういった文字を使って印象づけるか、どこを赤字にするのか、文字の太さは今で十分なのか? などをさらに丁寧に作りこむことで、まだまだよくなりそうです。
ネタ時間は、これまでで一番短くなっており、テンポがかなり良くなっておりました。
芥子壺さんの青い化け物ちゃんネタは、芥子壺さんご自身をイジる部分が足されて見やすくなりました。
前回入れていた客いじりは今回少な目。
客いじりは賞レースでは、もちろんご法度。
しかし出演するライブによっては、客いじりが可能なものもありますので、ライブの客層に応じて使い分けができるとよさそうです。
天ぷら十年ナガサワさんは、もうすぐR-1一回戦ということでR-1用のネタを披露してくださいました。
スイッチがオンになると、ものすごいパワーを発揮する天ぷらさん。
おじさんである風貌を活かした、オリジナリティあふれるネタをやられていました。
ほんわかした風貌ではありますが、時に見るものをヒヤリ…とさせるような毒のある切り口のネタが天ぷらさんの持ち味。
過去にR-1二回戦まで進出されている天ぷらさん。さらに上位へ進まれることをお祈りしております。
さて2022年のお笑い塾の授業レポートは、こちらで最後となります。
改めまして授業へご参加いただいた方々、OSAKAお笑い寄席を見にきてくださったお客様、見学に足を運んでくださった方々、スタッフの方々に感謝を申し上げます。
来年も、大阪お笑い塾を引き続きよろしくお願い申し上げます。
少し早いご挨拶となりますが、良いお年を迎えくださいませ。
写真・文 高田豪(大阪お笑い塾代表)
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