こんにちは。大阪お笑い塾の代表の高田豪です。
夏はお笑いの賞レースの初戦が始まるシーズンです。
お笑い塾からも、何組か賞レースにチャレンジされた方がいらっしゃいました。
「初めてM-1に、エントリーしました!」という嬉しい報告をくださった方もおられました。
20年ほど前「M-1は鑑賞するのが当たり前」という価値観でした。しかしここ数年で急速に「M-1は出場するもの」といった考えが広がり、アマチュア芸人が急増中!
お笑いは見るのも楽しいですが、自分でやってみるとさらに楽しいですよ!
サイコパスの心理、情のない人とは?
本日、まかなんで行われた授業のレポートにまいりましょう!
大阪お笑い塾では、事前に課題をお出しして当日、発表していただくワークを実施しております。
今回の課題は、
・自分を薄情だと感じたこと
・人を薄情だと感じたこと
笑いを提供する側は人の心理や、情の動きを深く理解しておくと有利。
今回は「情がない」と感じたエピソードをユーモラスに語っていただきました。
それでは、とりわけ印象に残った方をピックアップいたします。
今年初めてM-1グランプリに挑戦される此花六丁目さんは、かつてお勤めされていた会社のエピソードを話してくださいました。
当時、同じ部署で働いていた方が薄情な人で、あるプロジェクトへの半強制的な参加を余儀なくされ「あとは君、よろしくね」と丸投げされたことで、かなり苦労されたそうです。
その丸投げさんは、幸運の持ち主で、完全に破綻するであろうプロジェクトも幸運が重なり奇跡を起こしたのだとか⁉
ただしいくら幸運の持ち主でも、周囲を疲弊させるのは勘弁してほしいですね💦
お次は、ケンさん。当時を思い出し苦い顔になっています…笑
以前すぐ辞めてしまった仕事の面接で「好印象を与えたい!」という思いから、あることないことアピールしてしまい、面接担当者をすっかり信じこませてしまったのだとか。
内心「盛った話ばかりをしたのに、ほんまやと信じさせてしまった俺はなんて白状なヤツなんや」と申し訳なく思っていたそうです。
課題発表のあと、サイコパスについても少し言及いたしました。
サイコパスは「共感性、良心、人への関心がなく、自己利益のために他人を不当に利用するような人々」を指します。人口の1%前後存在しており、とりわけ企業のCEOはサイコパス率が高いといわれています。
お笑いと直接関係なさそうに思えますが「サイコパスっぽい」と称される芸人さんは少なくありません。
やはり最右翼はホワイトデビルこと、東野幸治さんでしょう。
数々のサイコパスエピソードを持つ東野さんは、ご自身のことを「腐って狂った人間」と自認しておられます。
芸能界はシビアな世界。共感力が高すぎる優しい人は傷つきやすいため、疲弊しやすいのは否めません。モンスターが集う芸能界で、心優しい人が仕事を続けていくのが困難かもしれないですね。
サイコパス芸人と定義される人ほど、ネタの執筆を担当している方が多いのも興味深いですね。感情を入れずドライに物事を見られるため、常人では思いつかない着想があるのかも?
ちなみにサイコパスは先天的、ソシオパスは後天的。双方はよく似ていますが、成り立ちが異なります。
サイコパスは、この世に生まれ落ちた瞬間からサイコパスなのですが、ソシオパスは成育環境によって段々とソシオパスになっていくようですね。
ネタ見せ
お笑い塾の授業の後半は、毎回ネタ見せのお時間です!
さて本日は、どんなネタが発表されたのでしょう?
と……その前に!
高橋さんが「おすすめの小説について語らせてください!」と熱い一言が。
浜口倫太郎さんの「ワラグル」という小説の面白さを熱弁!
浜口さんは放送作家と小説家の顔をお持ちの方で、お笑い芸人を近い距離で接してこられた経験をもとに「ワラグル」を書かれたそうです。
読書家の高橋さんは、たくさんの本を紹介してくれるので、とてもありがたいですね!
それではネタにまいりましょう。
モニターを使ったネタを披露してくれた犬飼さん。
「名探偵コナン」を題材に、犬飼さんならではの鋭い切り口で、コンスタントに笑いを取っておられました。
「コナンといえば塚田さん」と言われるほど、ディープなコナンファンであるシアリスの塚田さん。
塚田さんから「出すキャラの順番を工夫すると、さらに面白いネタになると思いますよ!」という意見が飛び出しました。
犬飼さんは、最近、人気の「猫ミーム」を使った動画を作ってきてくれており、そちらも続けて発表。
これが「お笑い塾愛」にあふれているもので、大変ほっこりするものでした。普段はポーカーフェイスの犬飼さんですが、仲間思いの温かい方だというのが動画から伝わってまいりました。
芥子壺さんは、以前にお笑い塾の定期ライブで発表したネタをブラッシュアップ。
流れ星に願い事をするというネタです。
3分ジャストに収まっており、ブロックも3つに分けられていてバランスが良くなっていました。
「どういった状況で、周辺には誰がいるのか?」などのディティールを入れれば、さらに笑いを足せそうですね。
鉄道芸人のしろみずさんは、鉄道ダジャレのフリップネタを発表。
今日にしろみずさんは、衣装がいつもと異なり新鮮です!
前に発表されたネタでしたが、展開を工夫しておられ、最後はお客さんの想像に委ねるような着地に。
子供が集まる催しでも、よく発表されているネタだそうでして、観客が大人のときと子供のときで、内容を少し変えられるそうです。
ラストはシアリスの漫才。
シアリスは、毎回、授業前にカラオケでネタ合わせをするそうなのですが、そこで塚田さんから「こうした方が楽しいんじゃない?」という意見が出たそうです。
台本を担当されている畠山さんは「じゃあ、中盤の流れを少し変えて、新しいアイデアを入れましょう」と快諾。
楽しさが伝わるポップな仕上がりになっていました。
お笑いのネタには、作る側の強い思いが入ります。ただしそのこだわりが、お客さんを置いてけぼりにする結果を招いては本末転倒。
客観的な意見を取り入れるのが得意なシアリスは、まず最初にゆるい土台を作ります。そのあと、たくさんの意見をもらって、ネタの質を上げていきます。
今回のように、コンビ間でアイデアを出し合うこともありますし、お笑い塾の他の塾生さんからの意見を柔軟に取り入れることもしばしばあるのです。
9/7のライブの前に、もう一度、お笑い塾の授業でネタ見せをする機会があるので、そこで最終調整になるでしょう。
年末に、また新たなライブを企画中のお笑い塾。詳細が決まりましたら、こちらで発表させていただきますので、お楽しみに!
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
写真・文 高田豪(大阪お笑い塾代表)
コメント
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