こんにちは。大阪お笑い塾の代表の高田豪です。
そろそろM-1グランプリ1回戦のシーズンが到来。
大阪お笑い塾から今年もM-1に挑戦される方が数名おられるので、楽しみですね。
さて午前中にはビギナーコースの授業が行われました。
こちらからお読みいただけます▼
お笑い塾のネトラジにビギナーコースの新星☆が!
お笑い塾では定期的にネトラジ収録を行っています。
今回は、ビギナーコースから、まつじゅんさんがゲスト出演してくださいました。
7/5に開催された楽屋Aでのお笑い寄席で、初めてネタを披露した感想などを語ってくれています。
下記からお聴きいただけますので、ぜひよろしくお願いいたします▼
「はぁって言うゲーム」
「はぁって言うゲーム」をご存じでしょうか?
YouTubeの企画でも、よく用いられる人気ゲームです。
しばりは「声や表情のニュアンスだけで感情を伝える」というもの。シンプルながら高い確率で盛り上がります。
ゲームクリエイター米光一成さんが考案し、2017年春のゲームマーケットでインディーズ作品としてリリースされました。
当時からPodcast「ほらボド」で「ゲムマ2017春ほらボド大賞」1位に選出されるなど、マニアの間で高い評価を得てそうです。
ルールは下記のとおり▼
・プレイヤーはA〜Hのカードを引き、与えられたお題を「どの感情で言うか」を決定
・他の参加者は、プレイヤーが「どの感情を表現したか?」を推測して当てる
たとえば、お題が「はぁ」の場合でも、
「失恋」
「感心」
「怒り」
など、さまざまなニュアンスがあります。
今回は、こちらのゲームに挑戦いただきました。
いろいろな仕掛けや裏切りがあり、大いに盛り上がったのですが、とりわけ鉄道芸人のフェイントには一同驚愕!
「まんまとしてやられた!」と唇を噛む方もおられました笑
言葉以外の情報をいかに察知できるか、観察力や感性が問われますね。
この「細かく感情を演じ分ける」というシンプルなルールは、コント作りや演技練習においても応用が効きます。
ひとつの言葉に含まれる多様な感情の揺らぎを意識することで、キャラクター表現の幅が一気に広がるのです。
「はぁって言うゲーム」ぜひ、またいつかやってみたいと思います。
もしかしたら、そのうちお笑い寄席でお目見えするかもしれません!
藤子不二雄作品に見る「ネタの仕込み」
今回は、藤子不二雄先生の作品から、ネタの作り方を学ぼうという講義をいたしました。
「ドラえもん」「オバケのQ太郎」「ウメ星デンカ」「笑ゥせぇるすまん」――藤子不二雄作品に共通するのは、日常と非日常のコントラストです。
物語はいつも、何気ない日常シーンから始まります。そこに異世界からの存在や奇妙な道具がやってきて、日常の調和が崩れる。その崩れ方がドタバタ劇になったり、ブラックユーモアを帯びたりするのです。
国民的漫画「ドラえもん」の第1話では、ドラえもんがのび太の勉強机の中から現れます。
まさに日常への闖入者の登場といった感じですが、こういったこういった「日常 × 異物」という構造は、コントや落語的な笑いの核でもあります。
最初から日常が崩れていると、崩しようがないのでギャップが生まれません。そうなると笑いをとるのも難しくなります。
お客さんが普段暮らしている日常空間に近いところから始めると、共感しやすいためネタの世界に入りやすくなります。
日常に不自然なキャラや行為が割り込むことで、観客は「ズレ」を感知し、笑いが生まれるのです。
前月の講義でも触れましたが、笑いと恐怖の構造はよく似ています。
「隣家に引っ越してきた妙な人」というコント
藤子不二雄作品の構造を理解したうえで、今回の実演では、次のような流れが確認されました。
①キャラAが日常でくつろぐ
まずは観客にとって共感しやすい「普通の光景」を描写。ソファでくつろぐ、新聞を読む、コーヒーを飲む――どこにでもある日常から始まることが大事です。
②キャラBが訪問し、挨拶する
次に、「異物」がやってきます。Bは一見礼儀正しく「こんにちは」と挨拶しますが、すでにこの時点でAの世界観にはない雰囲気をまとっています。
③日常が侵食される
Bが「つまらないものですが」と持参したモノ、あるいは行動そのものが、Aの日常を少しずつ壊し始めます。この瞬間が笑いの起点です。Bの“ボケ”に対し、Aが“ツッコミ”を入れることで、場面はだんだんと非日常に移り変わります。
それでは、この流れを踏まえて作っていただいたコントでとりわけ面白かったものをご紹介いたしましょう。
芥子壺さんの自宅へ、引っ越しの挨拶に訪れた塚田さん。
「つまらないものですが、受け取っていただけますか?」と言ったと思ったら、いきなり「ハッ、ハッ、ハッ!」と正拳突きを始め、芥子壺さんを唖然とさせてます。
まさかのプレゼントに、終始困惑気味の芥子壺さん。
きちんと仕上げれば、質の高いネタに仕上がりそうな感じがいたしました。
ネタ見せ
本日は9/6にライブ喫茶亀で開催される「OSAKAお笑い寄席」に向けたネタ見せが行われました。
こちらはオジーサンズのネタ。
てっさんがお休みだったので、急遽、極楽さん(写真右)がヘルプしてくれることに!
極楽さん、鬼気迫るとてもよい表情をされていますね。
この前、南無1グランプリに出たオジーサンズは、二週間後にM-1の1回戦に挑戦するそうです!
しろみずさんは、漫談を披露してくださいました。
鉄道愛が高じすぎて、いろいろ趣味で散財をしてしまった反省。
しかし、最後は「まあそんなこと言いながらも、今日の帰りにヨドバシカメラでまた鉄道模型を買うんですけどね…」と、しっかりオチをつけてくれました!
シアリスは、前回初披露したネタをブラッシュアップ。
猫カフェの話題から、急に猫になり切る塚田さん(写真左)に畠山さんが振り回されるという展開に…。
最後は抱っこをせがまれた畠山さんが、塚田さんを持ち上げようとするも「腰痛になったら嫌だ」という現実的な理由から拒否するという幕切れ。
ボケも多く、塚田さんのキャラの切り替えが笑いを呼ぶように作られていました。
あとは3分半~4分の時間にまとめると、余分なところがそぎ落とされさらに見やすくなるでしょう。
次回のお笑い塾は8/9の土曜日14時から行われます。
無料見学も受け付けていますので、興味をお持ちの方は
nejisiki27@gmail.com
まで👆ご連絡いただけると幸いでございます。
今年も酷暑になりそうですが、みなさんもご無理なさらずしっかり休んで夏バテ対策をとっていただければと思います。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!
写真・文 高田豪
コメント