2025年9月13日の授業レポート「31回お笑い寄席回顧「負けを認める重要性」「ネタ見せ」

授業レポート&ライブレポート

こんにちは。大阪お笑い塾の代表の高田豪です。

万博が盛り上がってますね。先日、ライブ喫茶亀で「東京在住のお笑い芸人が、大阪に遠征し、万博に行ってきた感想を語る」という趣旨のライブがございました。

ネタも含めて、大変面白かったです!

大阪お笑い塾でも、「そろそろ行っとこか」と万博会場へ足を運ぶ人がちらほら出てきています。

さて、大阪お笑い塾では2025年度のビギナーコースが9/20(土)からスタート!

続々と無料見学会のお申込みをいただいています。

「お笑い塾に興味があるけど、勇気が出ない…」という方がおられます。

今回の9/20から始まるコースでは、同じタイミングで始められますので、初めての方でもご安心。

ぜひお気軽にお申込みいただけると幸いです。

お問い合わせはこちらからお願いいたします▼

nejisiki27@gmail.com

第31回お笑い寄席回顧

9/6(土)にライブ喫茶亀で「OSAKAお笑い寄席」が行われました。

まずはそちらを振り返りましょう。

司会を務めたのはオジーサンズのおふたり。


トップバッターのシアリスから、大いに盛り上がります。


コーナーは、3PEACE所属のヒュンゼンさんに向けて「若い世代の彼でもわかる、昭和のクイズを出題しよう!」というもの。

いろいろ扮装してのパフォーマンスに「ムズいって!!」とヒュンゼンさんが苦悶する一幕も。

結果は、両チーム引き分けでした。


そして、オジーサンズのてっさんがこの日、お笑い塾とお笑い寄席を卒業することに。

最後にお客様へのご挨拶が。

台本執筆能力に定評のあったてっさん。オジーサンズのネタがどんどん面白くなってきたところだっただけに、残念ですが、また戻ってきてくれると嬉しいです。

てっさん、面白いネタを毎度、披露していただきありがとうございました!

次回のお笑い寄席は、11/8(土)です。

負けを認める重要性「降伏論」

今回もまず発声練習からスタート。

少し難易度高めの言葉を噛まないよう意識しながら、声出しをいたしました。


さてお笑い塾では、繰り返しお伝えしていることがあります。

それは強みや弱みも含めて「客観視することの重要性」です。

今回は高森勇旗さんの著書「降伏論」の内容をもとに、「客観視して、ときに諦めることで前に進みやすくなる」というお話しをいたしました。


生き残れる人の共通点

お笑いの世界は、競争社会です。

たとえば吉本興業のNSCには、毎年数百人という同期が集まります。
「この中で一番に売れる」と心に誓い、互いに切磋琢磨する。そんな熾烈な競争の場です。

しかし現実には、ライバルは年を追うごとに脱落し、最終的に売れるのはほんの一握り。残酷なほどの淘汰が起きていきます。

では、その中で生き残る人にはどんな特徴があるのでしょうか。
意外なことに、それは「潔いあきらめ」ができる人です。

「自分はネタ作りのセンスでは敵わない。でもトーク力なら活路があるかもしれない」
「舞台度胸では勝てない。けれど分析力なら勝負できる」

このように、自分の弱点を直視し、強みを探して軌道修正できた人が残っていきます。


頑固で執着が強すぎる人ほど注意

一方で、執着が強い人ほど危うくなります。
最初に立てた目標を絶対に手放せず、「一生それを追い求める」ことになってしまうのです。

古い例になりますが、典型例が、いわゆる「ダウンタウン病」「松本病」です。
ダウンタウンのような斜に構えたセンス至上の笑いに憧れ、「俺もあのポジションに」と夢を抱く。

しかし、それは圧倒的な個性を持つ少数者の道。真似をしても追いつけず、多くの人が時間を浪費してしまいます。

「初恋は実らない」「一目惚れは成就しない」と言われるように、自己理解が浅いタイミングで立てた理想ほど、達成は難しいものです。


「降伏論」に学ぶ視点

評論家・高森氏の『降伏論』にも、この考え方が具体的に書かれています。

「絶対に勝てない戦いに固執するよりも、引く勇気を持ち、自分の強みを生かせる場で戦う」ことの重要性です。

これはお笑いに限らず、人生のあらゆる場面で通じる考え方だと言えるでしょう。


必要なのは「客観視」と「行動量」

最も大切なのは、前述したように自分自身を客観的に見ること。
そして、考えるだけでなく実際に行動を増やし、成功パターンと失敗パターンの両方を体験することです。

行動して初めて「これは自分に合っている」「これは向いていない」がわかります。
頭の中だけで理想を描いていても、現実は動きません。

最も避けるべきは、結果が出ていない行動を延々と繰り返すこと。

頑固で自信がない人ほど、このループに陥りがちです。

同じ行動を繰り返す深層心理は、「今の自分でい続けたい」に他なりません。

すべてに因果関係があるので、そのときその人が選択したものが、未来の結果になって表れます。


「目を背けたいこと」に向き合う勇気

人生において、「できれば触れたくない」「見たくない」と思うことがあります。
しかし、往々にしてそこには大きな課題が潜んでいます。

直視したときには痛みを伴います。
けれど、その痛みを越えた先には、必ず新しい景色が待っています。

苦しい経験を通過した人ほど、軽やかに生きられるようになる。
これは多くの芸人だけでなく、誰にとっても共通する真理ではないでしょうか。

熾烈な競争の中で生き残るには、「がむしゃらな執着」だけでは足りません。
むしろ、潔く諦め、軌道修正しながら自分の強みを見極めていくこと。

そのためには、客観視と行動の積み重ねが必要です。
そして、目を背けたくなることほど、向き合う勇気を持つことが大切です。

あなたの「目を背けたいこと」「認めたくないこと」とは?

今回の課題は、「目を背けたいこと」「認めたくないこと」の発表。

かなり負荷がかかりますし、勇気がいる課題でしたが、みなさんしっかり取り組んでくださいました。

とりわけ印象深かった方々を、ご紹介しましょう。

「若き日に、バンドをやっていました」という極楽さん。

夢を追ったものの、なかなか結果が出ず、そのうち音楽活動をしなくなったそうです。

無意識に「ギターが家に置いてある」ということすら忘れて、久し振りにギターを手にしたとき「あれ? なんで俺の家にギターが!?」という不思議な感覚になったのだとか。

人間心理の深淵が伝わる興味深いエピソードですね。


鉄道芸人のしろみずさんは、鉄道模型についてのお話を披露。

「若き日に、鉄道模型を買いたかった欲求をずっと我慢していた」というしろみずさんですが、50代に差し掛かりその欲求がまたふつふつと沸き立つようになり、最近、すごい勢いで購入し続けているとのこと。

それにより色眼鏡で見られることもあるそうなのですが、反対に「同好の士」に恵まれるようになりました。

「捨てる神あれば拾う神あり」という感じがいたしますね。


全員の発表はご紹介できないですが、いずれも聴きごたえのあるものばかり。

勇気を出して発表いただき、ありがとうございました!

ネタ発表

大阪お笑い塾では、2か月に一度、ライブを主催しています。

次回の「OSAKAお笑い寄席」は、11/8の土曜日。

今回も「お笑い寄席」に向けたネタ見せが行われました。


天ぷら十年ナガサワさんは、2本のネタを披露。

ある人気アニメのキャラになりきったネタと、ご自身の強みであるおじさんキャラを活かしたネタ。

わかりやすさは笑いやすさにつながります。

多くの人が理解できるモチーフを用いるのは大正解!

あとはテーマにそったボケを入れたうえで、後半そこからどう飛躍させられるかでしょう。


犬飼さんは、タブレットを使ったネタを披露。

「忍たま乱太郎」の土井先生についての考察ネタ。

初恋泥棒の異名を持つ土井先生に関する鋭い考察に、女性陣から「わかる~!!」という共感の声があがっていました。

どんなネタでも、確実に受けを取る犬飼さんです。


2本のネタを披露した芥子壺さん。

ひとつはショートネタで、ライブのワンコーナーで発表しツッコミを入れてもらうことで成り立ちそうな感じがいたしました。

もう一本は、以前、披露しておられたマリリン・モンローのネタ。

寄席でお客さんを巻き込みながらやると、受けやすいネタですね。


前回のお笑い寄席で、しっかり笑いをとっていたアホーイ。

一週間後に行われる、あるお笑いコンテストに向けて、お笑い寄席で披露したネタをブラッシュアップ。

5分近くあったネタが3分ほどに短縮され、リズムもよくなっていました。

あとは、演技や所作など細かい精度を上げることで、笑いの総量をさらに増やせるでしょう。


最後は、シアリス。

塚田さんが畠山さんのボディーガードを買って出るという漫才コント。

謎の使命感に燃える塚田さんが、畠山さんを振り回すことでたくさんの笑いが起こります。

5分ほどあるネタですので、余分な部分を削り3分~4分の尺に収めれば、さらに見やすくなるはず。

最近、これまでのパターンを崩し始めたシアリス。

ネタを書いている畠山さんが「このネタやってみて、私の演技力が必要だとわかりました」と所感を述べておられました。

負荷はレベルアップのために欠かせません。

さらなるシアリスの向上が楽しみです!

次回の授業は9/27(土)。そろそろ秋の気配が漂い涼しくなっていることといいですね!

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!!

写真・文 高田豪(大阪お笑い塾代表)

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