こんにちは。大阪お笑い塾の代表の高田豪です。
9/27,9/28の両日に、しゃべくり話芸大賞の予選が行われました。大阪お笑い塾から4名の方が出場されていました。
夏以降はM-1グランプリなど、コンテストに出るチャンスが増えます。
さて9/20から、お笑い塾の新たなコース・ビギナーコース・ライトがスタートいたしました。
初回の授業の様子はこちらからお読みいただけます▼
大阪お笑い塾のネトラジのゲストはユーユー
大阪お笑い塾では、定期的にネットラジオの配信を行っています。
今回のゲストは、前回のOSAKAお笑い寄席で初めて舞台に立ったユーユーです。
ライブの振り返りも含めて、いろいろ語ってくださいました▼
笑いのズラシ方を学ぶには、国民的アニメのパロディが最適!
お笑いのネタを考える際に「どうズラすか?」は、重要な視点です。
相手が予想したことをほんの少し外すことで、意外性が生まれ、そこに笑いが生まれるのです。漫才でもコントでも、この「ズラし」が度々見られます。
ただ、「ズラせ」と言われても、いざ考えようとすると難しいものです。そんなときに役立つのが、国民的アニメの有名な場面をパロディすることです。
なぜなら、多くの人が知っている“原型”があるからこそ、そこからのズレがはっきりと浮かび上がりやすいからです。
アンパンマンの「僕の顔をお食べ」
例としてわかりやすいのが、『それいけ!アンパンマン』の名場面です。
9月26日朝、NHK連続テレビ小説「あんぱん」が最終回を迎えたおこともあり、今回はアンパンマンを題材に取り上げました。
主人公のアンパンマンは、困っている人に「僕の顔をお食べ」と言って、自分の顔を差し出します。
パンでできた顔を食べてもらい、その栄養で相手は元気を取り戻す──まさに正義と優しさの象徴的シーンです。
日本人なら多くの人が知っているシーンだからこそ、パロディの題材として扱いやすいのです。
では、この場面をパロディ化するにはどうすればよいのでしょうか。方法はシンプルです。
アンパンマンの「アンパン」の部分を、別のものに置き換えてみるだけでOK。
つまり、「僕の●●をお食べ」と言わせてみる。これだけで、ぐっと笑いの芽が生まれます。
ここで重要なのは、「食べられるもの」に置き換える必要は必ずしもないということです。
むしろ「食べさせられたら困るもの」に変えたほうが、より笑いにつながります。
笑いは「困り」から生まれる
お笑いの基礎には「困らせる」という要素があります。相手が戸惑ったり、嫌がったり、どうしていいかわからなくなる状況は、笑いのきっかけになるのです。
したがって、「僕の●●をお食べ」と言われて困るようなものを選ぶのが効果的です。
たとえば、次のようなものが考えられます。
・液体状のもの:「僕の味噌汁をお食べ」「僕のスムージーをお食べ」──顔ではなく液体なので、どう食べるのか困ってしまう。
・熱々のもの:「僕のおでんをお食べ」──優しいはずなのに、口の中を火傷させそうで困る。 ・冷え冷えのもの:「僕のかき氷をお食べ」──真冬なら特にありがた迷惑。 ・次から次へと出されるもの:「僕の連続うどんをお食べ」──食べても食べても終わらない。 ・完食しないと解放してもらえないもの:「僕の特盛カレーを完食するまで帰れま10をお食べ」──善意のはずが、もはや修行。 |
このように、相手が「いやいや、それは困ります……」と焦るものを選ぶと、笑いのポイントが生まれるのです。
パロディの基本は「A´」
パロディは、あくまで原型があるからこそ成立します。
元の形を「A」とすると、パロディは「A´」であることが理想です。つまり「Aにほんの少しズレを加えたもの」が笑いを生むのです。
もし崩しすぎて、原型の「A」が分からなくなってしまったら、ただの意味不明になりかねません。
アンパンマンの「僕の顔をお食べ」から離れすぎてしまうと、「何のこと?」と観客が置いてけぼりになってしまうのです。
だからこそ、「あ、これはあのシーンだ」と誰もがすぐにわかる“土台”を残すことが大事です。その上でズラす。これがパロディの鉄則です。
なぜパロディが練習に向いているのか?
では、なぜ国民的アニメのパロディが「ズラし」を学ぶ練習に向いているのでしょうか。理由は大きく三つあります。
・みんなが知っているシーンだから 観客が原型を知らないと、ズラしの効果は伝わりません。アンパンマンの有名な場面なら、多くの人が共有しています。 ・シーンがシンプルだから ・ズラしの方向が豊富にあるから |
面白かったコントをピックアップ!
写真左側は今回、初めて来られた河村さん。右側はシアリスのツッコミの畠山さんです。
河村さんが考案したのは「食べさしウーマン」。
食べさし、とは方言でその意味は「食べ物の途中の状態や食べ残し」の呼称です。
自分が食べていたものを差し出し「さあ僕が食べかけのコレをお食べ」と、ありがたくない善意を示します。
これには畠山さんも「いや、せっかくですけど、食べさしはいらないですよ」と困惑。
食材をずらすのではなく、状態をずらすという河村さんのユニークな発想によっておおいに盛り上がりました!
初めての組み合わせである、ケンさんと天ぷら十年ナガサワさん。
ふたりの年齢を足すと、85歳ほどですが、なかなかフレッシュ笑!
「これ食べて、あれ食べて」と天ぷらさんが繰り出す食べて食べて攻撃に、ケンさんは押され気味。
食べ物をもらうというのも、度が過ぎるとだんだんホラーになるのかもしれません💦
ネタ見せ
大阪お笑い塾では、2か月に一度、主催ライブを開催しています。
次回は11/8の土曜日。年内最後のOSAKAお笑い寄席に向けて、早くもネタが披露されました。
鉄道芸人のしろみずさんは、翌日にしゃべくり話芸の予選を控える身。
というわけで、予選のネタ時間である4分尺に調整されていました。
カスタマイズしやすいネタの構成ですので、2分用、3分用、4分用と組み換えられるメリットがあります。
しろみずさんにしか出せない、とぼけも健在でした!
天ぷらさんは、上から目線のおじさんキャラで「これの何がおもろいねん!」と若い世代に当たり散らします。
強面かと思いきや、後半ギャップを見せる一幕も……。
「押しの一手で攻めてくる」と油断して見ていると「最後、そう来るんかい!」と裏切られる展開でした!
此花六丁目さんは、ピンで音楽を使ったコントに挑戦。
阪神ファンのユーチューバーという着眼点はとてもいいのでね!
あとはフォーカスをしぼり、お客さんがすぐ「これはこのように楽しめばいいネタなのか!」と思える形に整えられればバッチリです!
たかたかやまは、ポリティカルな題材を扱った漫才を初披露。
繰り返し構造になっているので、こちらのネタも「こういう笑いの形です」とわかりやすく提示できれば、安定して笑いをとれる漫才になりそうですね。
シアリスは塚田さんが急に「私、畠山さんのボディーガードをします!」と謎のスイッチが入り、畠山さんが「恥ずかしいから、ついてこないでよ」と終始、嫌そうにする展開。
塚田さんといえば、度々披露される演舞が印象的ですね。
今回も、もちろん塚田さんの力強いパンチとキックが炸裂🔥
最後はパシャリと撮影されることに。
サングラスをかけポーカーフェイスで、畠山さんをにらむ塚田さんがなんとも言えないおかしみを出しています。
5分ほどあったので、余分なところをけずり3分半~4分にまとめると、ボケのたくさんある楽しいネタになるでしょう。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!
高田豪(大阪お笑い塾・代表)
大阪お笑い塾のビギナーコース・ライトの興味がおわりの方は、ぜひこちらのチラシをご覧くださいね▼
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