こんにちは。大阪お笑い塾です。
10月18日の夜は、淀川花火大会が開催されました。例年なら夏の開催なのですが、今年は万博との兼ね合いもあって10月の開催に。
授業前は戸田和子先生が「秋に花火大会🎆って不思議な感じですけど、10月でもまだ十分暑いですね~」と話されていました。
それでは授業レポートにまいりましょう!
……とその前に、戸田先生の生のお声をお届けしようと、お笑い塾のネットラジオに出ていただきました。
ぜひこちらをお聴きいただけると幸いです(下記をクリックいただけるとサイトへジャンプします)▼
第83回『ビギナーコース・ライトの講師・戸田和子先生がゲスト!』
「なんでやん」とツッコミをいれた話
大阪お笑い塾では、台本のあるネタだけでなく、「日常から笑いを作る力」を大切にしています。今回の授業テーマはエピソードトーク。
日頃の暮らしでふと感じる違和感を言葉にし、それを笑いへつなげる練習を行いました。
授業は、受講生さんによる「なんでやねんと思った話」を発表するところからスタート!

ツッコミを入れたということは、それだけ感情が動いたということですね。
お笑い塾では、授業の中で必ずアウトプットしていただく時間を設けています。
こちらは毎回、「おおっ、そうくるか!」と面白い角度のエピソードを披露してくださるIさん▼

Sさんからは、こんなエピソードが発表されました。

近所に、いつ行っても炭火焼肉のにおいがするドラッグストアがあるんです。
肉は売っていない。もちろん焼いていない。にもかかわらず、いつ行っても炭火焼肉のにおいが漂ってるんです。
まさに日常の違和感というやつですね。
教室は「なにそれ!?」と、笑いに包まれました。
「状況がおかしい」という点がしっかり伝わったからでしょう。
笑いは、特別な場所からではなく、案外こうした身近な観察から生まれることを改めて感じさせるやりとりでした。
あまりに気になったので、Sさんが店員さんに「なんで、焼肉のにおいがしてるんですか?」と確認したところ、「隣に焼肉屋があって、そこから入ってきたにおいが抜けないんです」という事実が判明。
思わず「ドラッグストアを建てる前に、現地調査せんかったんかい!」とツッコミそうになったとのことでした。
Oさんは、ある後輩について語りました。
「人生は勉強だ」とばかりに、これでもかと勉強している後輩がいます。彼は社会人になっても、学生のようにずっと勉強づけ。そんな彼から、先日電話があって「僕、ちょっと勉強しすぎですかね?」と相談を受けて、ツッコミそうになりました。
この話にも、クスクス笑いが発生。
真面目すぎて逆にズレてしまう人間像は、多くの人に覚えがあります。
「この話に出てきた人、自分の周囲にいるあの人に似ているかも?」と思わせられたら、すでに半分は成功しているようなもの。
キャラを脳裏に浮かべてもらい、親身に思わせることができたら、エピソードへの没入感が高まります。
相談を受けたOさんは、後輩に「たまには勉強、休んだら?」とその身を案じたそうです。
しかし、そのあとしばらくしてからまた電話が……。
「先輩、僕にはやっぱり勉強しかないんです。勉強を再開しました!」と決意表明があり「この前の相談、なんやってん!?」と思ったそうです笑
こうした身近な目線が、エピソードトークの材料になるのです。
「ギャップに気づくこと」がネタ集めの始まり
戸田先生から、「笑いの多くはギャップから生まれる」という話がありました。

人は話を聞くとき、自然と先を予想しながら聞いています。つまり「推論を立てながら、話を聞く」というのを無意識に行っているのです。
その予想を少し外されたとき、人は意外性を感じて笑います。
「ドラッグストアの店内に焼肉のにおいが立ち込める」という話も、「普通はそうならない」という前提があるからおかしく聞こえます。
この「常識からのズレ」に目を向けられるかどうかが、お笑いにおいてとても大切ですね。
最近、我々の暮らしに欠かせなくなってきたAIを例に挙げ「AIも推論ベースで動いているんです」と添えた戸田先生。

AIは期待を裏切らないように動いてくれますが、たまに的外れなことをされた際、思わず「なんでやん!」とツッコミそうになりますね。
推論できるよう、しっかり筋道の通る話をしたうえで、笑えるような裏切りを入れるのがポイントのようです。
話術をレベルアップさせるセルフ・ツッコミ
「セルフ・ツッコミ」についても取り上げられました。
エピソードトークは一人で話すため、ボケ役とツッコミ役の両方を担う必要があります。
たとえば、
「うちの高校生の息子は努力の鬼なんです。目から血が出そうなくらい、いっつも努力してます。でも、テストは毎回、赤点。せやから思うんですよ。『いや、どこに向けて努力してるねん!』と」
と自分でツッコむことで、ひとり語りの中にも会話のリズムが生まれます。
落語ではないですが、独り語りでも工夫しだいで起伏ある話に。
エピソードトークでは話者の自分へツッコミを入れられるもうひとりの自分を置くことで、一段上にステップアップできるかもしれません。
「笑いの発見力」は、誰でも後天的に伸ばせる
戸田先生は次のように語りました。
面白い話は、意外と周辺に転がっています。日常を見る目が鍛えられれば、おのずとネタは集まります
笑いは、特別な出来事よりも「ちょっとした違和感」から生まれるものです。そのために必要なのは才能やセンスではなく、「気づく力」と「言葉にする練習」です。
今回の講義の要点は、こちら▼
| ①観察する:「毎日の生活で、何か面白いことはないか?」と好奇心のアンテナを立てる
②言葉にする:書く、話す(アウトプット)など、言語化する習慣をつける ③ブラッシュアップする:整え、磨くことで鉄板ネタへと昇華する |
戸田先生から「これ、おもろいと思ったものを写真に一枚、撮ってきてくださいね」という次回の宿題が出されました。
大阪お笑い塾では、こうした観察力と思考力を育てながら、日常から笑いを作る方法を楽しく学んでいただいています。
今回もあっという間の90分でした。
さて次回は、どんな発表があるのか今から楽しみですね!
大阪お笑い塾


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